「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、2022年10月から第1クールが、2023年4月から第2クールの放送が始まったガンダムシリーズのTVアニメ最新作です。シリーズの新作は「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」以来、5年ぶりとなっています。
この記事では、主人公のスレッタ・マーキュリーが搭乗するモビルスーツ、ガンダム・エアリアルについて解説します。
目次
- アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」とは?
- アニメ「水星の魔女」ガンダム・エアリアルの基本情報
- エアリアルに用いられている「GUNDフォーマット」とは
- ガンダム・エアリアルを象徴する武器「ガンビット」とは
- ガンダム・エアリアル(改修型)とは?強化要素や追加武装など
- エアリアルには自我がある?エリーとの関係は
- エアリアルはルブリスだった!?プロスペラが語った内容は?
- エアリアルとのコラボスナック登場でSNSを中心に話題に
- アニメ「水星の魔女」エアリアルのまとめ
アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」とは?
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、主人公のスレッタと搭乗するモビルスーツのガンダム・エアリアルを中心とした、モビルスーツ産業やガンダムのあり方などを巡る物語です。
舞台となるのはA.S.(アド・ステラ)122年。モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する、小惑星に建造された「アスティカシア高等専門学園」です。そこには、モビルスーツ開発企業代表の子どもたちや関係者も通っていて、子を介したモビルスーツ開発利権争いが見え隠れすることもあります。
さらに、宇宙に住むスペーシアンと地球に住むアーシアンの差別問題や、ガンダムが危険視されている背景など、さまざまな要素が絡み合った複雑な人間ドラマが描かれます。
アニメ「水星の魔女」ガンダム・エアリアルの基本情報
ガンダム・エアリアルは、スレッタがアスティカシア高等専門学園へ入学するときに持ち込んだモビルスーツです。デザインは、白をベースに青、黄色、赤のいわゆるガンダムカラーとなっていて、額には2又のブレードアンテナも付いています。
所属:シン・セー開発公社
パイロット:スレッタ・マーキュリー
型式番号:XVX-016
頭頂高:18.0m
重量:43.9t
機体の基本構造は他企業のモビルスーツと同じく、人体を模したジョイントをEMT(電動モーター)で駆動して、動作させるタイプです。ただし、他社製とは異なり、モビルスーツへの搭載が禁じられている技術「GUNDフォーマット」が採用されています。
パイロットはスレッタですが、ミオリネ・レンブランがスレッタに無断で乗ったり、エラン・ケレスが借用したりするシーンも描かれました。
ガンダム・エアリアルの武装
ガンダム・エアリアルの基本武装は、以下のとおりです。
■基本武装
・ビームライフル
・ビームサーベル
・頭部バルカン砲
・エスカッシャン
ビームライフル、ビームサーベル、頭部バルカン砲と、ガンダムらしいスタンダードなものがそろっています。それに加えて、「ガンビット」という次世代群体遠隔操作兵器システムで構成された武装「エスカッシャン」を装備しています。
■追加武装
・ミラソウル社製フライトユニット
ミラソウル社製フライトユニットは、エアリアルに宇宙空間での推進能力を与えるオプション装備です。第6話でエランとの戦いに備え、ニカ・ナナウラが製作しました。元にしたパーツがミラソウル社製だったこともあり、ミラソウル社製の名がついています。
エアリアルに用いられている「GUNDフォーマット」とは
「GUNDフォーマット」とは、モビルスーツと人体を有機的に接続する身体機能拡張技術「GUND」を軍事転用したシステムです。「パーメット」という元素を人体に流入させることで、モビルスーツとの接続を実現しています。
「GUNDフォーマット」は、必要に応じて使用強度を増減でき、その強度を「パーメットスコア」という指標で表しています。スコアレベルが高くなるほど強力ですが、同時に人体への負荷が大きくなるため、高レベルを長時間使用するのは難しいとされています。
また、「GUNDフォーマット」は、作中でガンダムの名の由来にもなっています。「GUNDフォーマット」を搭載したモビルスーツには「GUND-ARM(ガンドアーム)」という名が与えられ、これを一般に「ガンダム」と呼びます。
「パーメット」と身体拡張技術「GUND」とは
「パーメット」とは、アニメ「水星の魔女」の世界で独自に設定されている架空の元素です。太陽系内に偏在する鉱物から発見されたもので、個々の「パーメット」間で情報を共有する性質があります。
この「パーメット」の性質を利用した身体拡張技術が「GUND」です。元はヴァナディース機関という組織が、宇宙環境で生じる身体機能障害の補助を目的に開発した医療技術でした。PROLOGUEでは、「GUND」を用いて作られた手足や骨、血管などが登場しています。
また、ヴァナディース機関代表のカルド・ナボは、人類が宇宙へ出ていくために不可欠な技術が「GUND」であると説いています。「赤子が服を着るように、私たちはGUNDをまとうことで初めて宇宙に出ていける」とも語っています。
「GUND」がモビルスーツに利用されるようになった理由は、モビルスーツ開発を手掛けるオックスアース社がヴァナディース機関を買収したためです。PROLOGUEでは、「GUNDフォーマット」を用いたモビルスーツであるガンダム・ルブリスやガンダム・ルブリス量産試作モデルが登場しています。
パーメットスコアとは
「パーメットスコア」とは、パーメットによって人間とモビルスーツをリンクするときの指標です。リンクの強さはレベルで表され、現時点ではレベル1から6までが確認されています。
各レベルにおける具体的な条件や効果は明確にされていませんが、PROLOGUEではガンダム・ルブリス量産試作モデルに搭乗したナディム・サマヤが、スコア3で息を荒げて苦しむ様子が描かれました。さらに、第12話ではガンダム・ルブリス・ウルのパイロットであるソフィ・プロネが、スコア4で息が上がり、心臓を痛がって嘔吐しそうになっている様子を確認できます。
第11話では、スレッタの母親であるプロスペラが、エアリアルのパーメットスコアが6に到達したと言っています。これは、第9話の6対6での決闘中のことを指していて、エアリアルのシェルユニットが青く発光し、スコア6へ到達したことが表されています。このとき、パーメットスコア6を体験したにもかかわらず、スレッタの身体には、ほかのパイロットに見られるような異常はいっさい見られませんでした。
ガンダム・エアリアルを象徴する武器「ガンビット」とは
「ガンビット」とは、「GUNDフォーマット」を使用した次世代群体遠隔操作兵器システムで、正式名称は「GUNDビット」です。エアリアルに装備されているエスカッシャンは、「ガンビット」の一種である「ビットステイヴ」11基で構成されています。
エスカッシャンの「ビットステイヴ」にはそれぞれビームキャノンが内蔵されていて、機動砲台やシールドとして使用可能です。また、ビームライフルに接続することで、ロングバレル化する使い道もあります。
さらに、「ビットステイヴ」を機体各所のハードポイントに接続することで、「ビットオンフォーム」に換装可能。推進剤の急速補給や機動力・防御力の性能向上などが得られます。
ガンダム・エアリアル(改修型)とは?強化要素や追加武装など
第12話で登場したガンダム・エアリアル(改修型)とは、グラスレー寮との決闘で受けたダメージを修繕し、同時に外部装甲や武装類の刷新・追加を行ったものです。肩回りを中心に外見が変わっている部分がありますが、新型モビルスーツではありません。
所属:シン・セー開発公社
パイロット:スレッタ・マーキュリー
型式番号:XVX-016RN
頭頂高:18.2m
重量:53.2t
ガンダム・エアリアル改修型の追加武装や変更点
エアリアル改修型の基本武装は、以下のとおりです。
・ビームライフル/ガンビットライフル
・ビームサーベル
・頭部バルカン砲
・エスカッシャン
・フライトユニット
・シェルユニット
改修前からの変更点は、「ガンビット」との連携を重視した設計になったことや、フライトユニットの専用オプション装備化、シェルユニットの露出範囲拡大です。とくに「ガンビット」との連携は強力で、ビームライフルをガンビットライフルに変化させることで、対艦級の火力を発揮します。
エアリアルには自我がある?エリーとの関係は
放送序盤から視聴者のあいだでは、「エアリアルに、自我があるのでは」や「エアリアルに、PROLOGUEで登場したエリクト・サマヤ(エリー)の意思が内包されているのでは」といった疑惑が持たれていました。
これらの疑惑を裏付ける理由として、第3話で描写された、エアリアルのOS「SYS Ver.E.S」がエリクト・サマヤのイニシャルと一致していることや、第6話でエアリアルの中から子供のような形の光と声が発せられたこと。同じく第6話にて、プロスペラが「エアリアルは勝つわ。私のかわいい娘だもの」と発言をしていることなどが挙げられます。そして、この疑惑は第14話で事実だと明らかになりました。
その経緯は、スレッタがパーメットスコア6の負荷を受けない不自然さについて、ベルメリア・ウィンストンが「ほかの誰かがガンビットを操っているよう」とプロスペラに言及したことがきっかけです。ベルメリアはプロスペラに「エリクト・サマヤは今どこにいるんですか?」とも問いかけます。
プロスペラはこれに対して「いるわよ、スレッタのすぐそばに」と答えました。プロスペラは、エアリアルの中にエリーの意思があることを示唆。さらに「クワイエット・ゼロ」というプロジェクトのもと、エリーが幸せになるために世界を書き換えることが目的と語りました。
人間の意思をモビルスーツに閉じ込めるという行為に、ベルメリアは絶句。エアリアルを巡る謎の一部が明らかになるとともに、プロスペラが成し遂げようとしているプロジェクトの恐ろしさが露呈しました。
小説「ゆりかごの星」はエアリアルが語るように物語が進む
エアリアルとエリーの関係を考えさせる派生作品の一つに、スレッタの成長を語った小説「ゆりかごの星」があります。「ゆりかごの星」は、「水星の魔女」のOP主題歌「祝福」の原作小説で、シリーズ構成/脚本を担当する大河内一楼氏が書き下ろしたものです。
小説「ゆりかごの星」は、エアリアルの目線で物語が進みます。その文章は、エアリアルが自我を持ち、自ら語るように書かれていて、まるでエアリアルがスレッタの成長を見守っているかのような内容になっています。そのため、「ゆりかごの星」を読んだ人が、「エアリアルの中に、エリーの意思があるのでは?」という疑惑を持つことにつながっていたのです。
この疑惑は、第14話で事実と分かりました。ただ、一つ疑問として残るのが、小説におけるエアリアルの一人称です。小説ではエアリアルは自らを「僕」と呼んでいますが、PLOROGUEでエリーは自分のことを「エリー」と呼んでいました。本当にエアリアルの中にいるのはエリーなのか、エリー以外にも複数の意思があるのかなど、謎が残っています。
このほかにも、スレッタがガンビットに対して「みんな」と呼び掛けていることや、スレッタが占いで12人きょうだいと言われていることなどが、疑問点として挙げられます。エアリアルには、まだ謎が隠されていそうです。
エアリアルはルブリスだった!?プロスペラが語った内容は?
第16話にてプロスペラは、「私はルブリスを使って、エリーの命を繋ぐと決めたわ。エアリアルとしてね」と発言しています。前後の発言も合わせて解釈すると、ルブリスを改修し、さらにエリーの意思を閉じ込めて完成したのがエアリアルということになります。PROLOGUEで姿を見せて以来、所在が不明だったルブリスの顛末も判明した形です。
なおシン・セー開発公社の企業規模や事業内容でガンダムを開発できるのか……という点は当初より疑問視されており、第2話ではヴィム・ジェタークが「水星の採掘屋(=シン・セー)ごときにガンダムが作れるものか!」と言っています。
ちなみにヴィムの直後にサリウス・ゼネリが「あるいはオックス・アースの亡霊か」と続けています。オックス・アース・コーポレーションはルブリスを開発した企業ですので、くしくも正解を述べていたということになります。
エアリアルとのコラボスナック登場でSNSを中心に話題に
2022年12月5日に、「水星の魔女」で登場する会社・株式会社ガンダムと、ヤマザキビスケットのスナック菓子「エアリアル」とのコラボ商品が発売されました。
「水星の魔女」のコラボ商品は、これまでにもさまざまなものが登場していましたが、株式会社ガンダムとしてのコラボは初めてです。コラボPVも発表され、SNSを中心に話題になりました。
味は、しお、濃厚チェダーチーズ、焼きとうもろこし、コーンポタージュがあり、それぞれパッケージのコラボデザインが異なります。濃厚チェダーチーズは、コンビニ限定パッケージもあります。トマトを育てていたミオリネがパッケージに描かれている、完全オリジナル味のフレッシュトマト味も発売されました。
アニメ「水星の魔女」エアリアルのまとめ
ガンダム・エアリアルは、シン・セー開発公社が作った「GUNDフォーマット」搭載のモビルスーツです。これまで、「ガンビット」の高い性能が目立つ、高機能なモビルスーツとして描かれてきましたが、エリーの意思が内在していることが判明し、ただのモビルスーツとしての枠を超える存在になりつつあります。
エアリアルには、まだ多くの疑問があります。今後、物語の中で真相が明かされることに期待しましょう。
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