将棋の竜王戦5組ランキング戦の決勝が5月16日に行われ、服部慎一郎六段(23)と伊藤匠六段(20)が午前10時から対局を開始した。両者は既に4組への昇級を決めているが、本局の勝者は5組優勝者として本戦出場権を獲得するため、譲れない一局だ。
服部六段は2020年4月に四段昇段。順位戦C級2組。2021年に若手棋戦の加古川青流戦で初優勝を果たした。2022年度は大きな飛躍の年となり、叡王戦挑戦者決定戦に進出のほか、年間68局を指し将棋大賞の最多対局賞と新人賞をダブル受賞。勝数で五段昇段、さらに竜王戦連続昇級で六段昇段を決めるなど、めきめきと頭角を現している。今期の竜王戦では強豪を次々破り、決勝戦へ進出。ライバルとの一戦を制し、何としてでも初の本戦出場を手にしたい。
伊藤六段は2020年10月に四段昇段。順位戦C級1組。棋戦優勝は新人王戦で1回。藤井竜王とは同学年で、小学生大会でも対戦し勝利した経験がある。藤井竜王から4年遅れてのプロ入りにはなったが、各棋戦でも上位で活躍を見せるなどその存在感は“若手枠”を大きく飛び越え「将来のタイトルホルダー候補」に数えられている。これまで通算120局を指し、91勝29敗で勝率.7583と高勝率をキープ。前期竜王戦では、6組優勝から本戦でも2勝を飾っており、2期連続での本戦進出を狙っている。
両者は本局が公式戦初手合い。大一番を制するのはどちらか、大きな注目が集まっている。
竜王の現タイトル保持者は藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)で、2020年度の第34期に初挑戦し豊島将之九段(33)に七番勝負で4連勝のストレート勝ち。2組ランキング戦から無敗のまま奪取という記録も作った。前期は広瀬章人八段(36)の挑戦を4勝2敗で退け連覇を飾った。
本局の持ち時間は各5時間。振り駒の結果、先手は伊藤六段に決まった。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)