将棋の竜王戦1組ランキング戦の決勝が5月25日に行われ、羽生善治九段(52)と稲葉陽八段(34)が午前10時から対局を開始した。既に両者は本戦出場を決めているが、優勝者は賞金470万円を手にするほか、本戦で1勝すれば挑戦者決定三番勝負となる「スーパーシード」の権利を得る。藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)への挑戦に向けて、最短距離を行くのはどちらか。
【中継】第36期 竜王戦 1組ランキング戦決勝 羽生善治九段 対 稲葉陽八段
羽生九段は1985年12月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:34期)、順位戦B級1組(A級以上:29期)。タイトルは歴代最多の99期を誇り、棋戦優勝も同じ最多の45回。「七冠独占」「永世七冠」など、数々の大記録を打ち立てた将棋界のスーパースターだ。2021年度はプロ入り後初めて勝率が5割を切り、順位戦A級からも陥落するなど試練の年になったが、2022年度は見事に復活。7年ぶりに勝率6割超えを果たすと、年度末にはALSOK杯王将戦七番勝負で藤井王将とタイトルを争うなど、トップクラスでの存在感は変わらない。
稲葉八段は2008年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組:7期)、順位戦A級(A級:6期)。タイトル歴はないが2017年度に名人挑戦の経験があり、また一般棋戦では銀河戦とNHK杯テレビ将棋トーナメントでそれぞれ1回、優勝した実績を持つ。関西が誇る安定感抜群の居飛車党で、通算勝率も6割超えを維持。いつタイトル戦に登場してもおかしくない地力の持ち主だ。
竜王戦は1組から6組に分かれてのトーナメント戦が行われ、各組上位者が本戦に進出。最上位の1組からは優勝者から5位までの5人が出場するが、本戦は上位組からの進出者の方が、対局数が少ない変則トーナメントになっており、1組優勝者は1勝すれば挑戦者決定三番勝負に進むことができる。
持ち時間は各5時間で、振り駒の結果、先手は稲葉八段。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)