「これだからアデルはやめられない」大谷翔平の同僚24歳特大＆超速ホームランにドキドキ・守備にハラハラ見応えだらけの若き才能

【MLB】エンゼルス3－1カブス（6月8日・日本時間9日／アナハイム）

　エンゼルスの大谷翔平投手が「2番・DH」、カブスの鈴木誠也外野手が「4番・ライト」で先発出場した試合は、エンゼルスが競り合いを制して同一カード3連勝のスイープ。大谷は1安打、鈴木は2安打でチームに貢献した。ただこの試合に限っていえば、球場を最も盛り上げたのは今季メジャー初出場となったエンゼルスのアデルだ。今季初打席でいきなり打球速度117.2マイル（188.6キロ）、飛距離は451フィート（137.5メートル）というとんでもない1号ホームランを打ち放った。守備では無難なように見えて少し処理にもたついたり、平凡なフライで踊るように捕ってみたり。とにかく見応えだらけの24歳だ。

【映像】アデルが放った今季球団最速188.6キロの爆速ホームラン

　アデルは2020年のシーズンでメジャー初昇格を果たし、昨季は最多の88試合に出場。溢れんばかりの身体能力を武器に力強いスイング、豪快なランニング、鋭い送球などが魅力の外野手だ。ただし、その身体能力を持て余すように守備や走塁でのミスが目立つことも多く、日本のファンからはミスが出た際に「アデる」と呼ばれるようにもなってしまった。それでも多少のミスを帳消しにするほどダイナミックなプレーを見せることから、大谷をきっかけにエンゼルスの試合を見始めたファンの中でも、高い人気を誇る選手になっている。

　今季は加入した新戦力に押される形でマイナーからのスタートだったが、3Aの55試合で18本塁打と打ちまくり、また外野手のレギュラーであるレンフローが妻の出産による休養を取ったことで、アデルにメジャー昇格、さらにスタメン出場の機会が巡ってきた。このチャンスを逃さないとばかりに、第1打席に真ん中高め、やや内寄りに入ってきたシンカーをフルスイングし、打球はあっという間にレフトスタンドへ。打った本人だけでなくベンチの仲間、球場全体のファンも確信する特大アーチとなった。日本のファンからも「すげーのきた」「覚醒アデル」「スター性あるな」「涙でたわ笑」と反響が続々と寄せられた。

　雰囲気抜群の打席から一転、ライトの守備になるとまた別の意味で注目される。打球が飛べば「大丈夫か？」と心配され、右中間を破られフェンスに到達した打球にほんの少しもたつくと「アデった」というコメントも大量に集まった。また余裕のあるフライが飛んだ際、飛び跳ねるような足運びをしたことで、ハラハラしたファンも少なくなかった。

　ベンチ内では陽気な表情を見せつつ、課題解決には必死に取り組む努力家でもある。「これだからアデルはやめられない」というファンの声があるように、荒削りさこそが実にアデルらしいが、より野球のスキルを高めた時にどこまで素晴らしい選手になるか楽しみな逸材だ。
（ABEMA『SPORTSチャンネル』）