エンゼルスの大谷翔平投手は、6月18日(日本時間19日)のロイヤルズ戦で、MLB両リーグ単独トップとなる今季24号の2ランホームランを放ち、打点58はア・リーグトップ、打率も同8位の.300と優れた成績を残している。この試合では「2番・DH」で先発出場したが、今季は主に2番と3番を任されるなかで、特に2番起用時に傑出した成績を残している。
今季の大谷は、打席数が多い順に3番、2番、1番の3通りの打順で出場。1番は打席数14とデータの母数が乏しいため、ここでは2番と3番起用時のデータを比較してみたい(成績は全て現地6月18日時点)。
■大谷翔平「2番」起用時の打撃成績
打席数:92、打数:73、安打:26、本塁打:10、打点:20
打率:.356、出塁率:.473、長打率:.822、OPS:1.295
■大谷翔平「3番」起用時の打撃成績
打席数:217、打席:191、安打:52、本塁打:14、打点:35
打率:.272、出塁率:.343、長打率:.555、OPS:.898
打席数で2倍以上、打数で2.6倍ほど「3番」が多いにも関わらず、あらゆる指標で「2番」起用時に優れた記録を残していることがわかる。特に打率は「3番」起用時の.272に対して「2番」で.356、OPSは.898に対して驚異の1.295と傑出した成績をマーク。
18日(同19日)時点のOPSトップ5を見ると、大谷自身が1位で1.016、2位のアルバレス(アストロズ)が.977、3位キャロル(ダイヤモンドバックス)が.975、4位アクーニャJr.(ブレーブス)が.964、5位フリーマン(ドジャース)が.958。このランキングからOPSで.950を超えればMLBの強打者として立派な数値と言える中で、「2番・大谷」のOPS 1.295がいかに優れているかがわかるだろう。
エンゼルスは直近の試合で「2番・大谷」、「3番・トラウト」という打順を組むケースが多い。6月の打率こそ.179と落ち込んでいるトラウトながら、13年間のキャリア通算で打率.301、本塁打365、打点935、OPS.994とメジャー屈指の成績を残す強打者。大谷とトラウトは相手にとってチームで最も警戒される打者だろう。後ろにトラウトが控えることで大谷との勝負を選択せざるを得ない状況が好成績に繋がっている可能性もある。また、今季チームトップの10盗塁を記録する左打者の大谷を2番に置くことで併殺を回避しやすいメリットもある。
MLBでは2000年代に入って2番打者にバントなど小技が上手い“つなぐ”タイプより強打者を置くチームが見られるようになってきた。2番起用時のトラウトも最たる例で、他にもアルトゥーべやイェリッチ、ジャッジなど多くの例がある。
打席数が多く、初回に必ず打席が回ってくる2番に強打者を置くことが、クリーンナップに強打者を置くよりも得点効率上優れるという趣旨のいわゆる“2番打者最強説”を採用するチームも多いが、エンゼルスは6月6日(同7日)のゲームから13試合連続で「2番・大谷」の先発オーダーを組んでいる。チームトップの打率、本塁打、打点をマークする大谷を2番に据えた際のデータは、その説を裏付けていると見ることもできる。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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