将棋の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」に出場するチーム千田が、Eリーグ開幕を前にチーム動画収録に参加。千田翔太七段(29)、西田拓也五段(31)、藤本渚四段(17)の3人は、たこ焼きパーティーを開いて親睦を深めた。現役最年少棋士の初登場とあり、話題は藤本四段に集中。高校生活や奨励会時代のエピソードに、同じ関西所属の千田七段、西田五段は興味津々の様子だった。
【映像】最年少棋士・藤本四段のエピソード満載 チーム千田のたこ焼きパーティー
藤本四段は、2022年10月に高校2年生の17歳でプロデビュー。現役最年少棋士として大きな注目を集める中、デビュー以来15勝5敗、勝率0.7500と好成績を上げている。ルーキーながら今期のABEMAトーナメントでは、新リーダーとなった千田七段のドラフト指名を受けて初参戦。若手有利とされる超早指し戦での躍進に期待が高まっている。この日は同じ関西所属の2人の先輩との“たこパ”とあり、「事前に練習してきました」とやや緊張した面持ち。完成した自作のたこ焼きには「ちょっと失敗しました…」と表情を固まらせていたが、千田七段は「イケなくもないです」、西田五段は「しっかり焼けてますよ」とフォローを入れていた。
たこ焼き1回戦でトークも滑らかになってきた3人は、現役高校生の藤本四段の学校生活の話題へ。千田七段が「修学旅行は行きました?」と問いかけると、藤本四段は5泊6日の東京&北海道修学旅行で「テーマパークでアトラクションに乗るための待ち時間が印象に残っています」という何とも現実的な返答が。「時間をつぶさないとやっていられませんでした」と笑うと、千田七段からは「修学旅行で〇〇しないとやってられない、というフレーズは将棋界っぽいですよね」とのツッコミが飛んでいた。
ちょっとした時間を見つけると詰将棋に充てるという棋士は多く、過去には出席した結婚披露宴の最中に詰将棋を解いていたという強豪棋士の逸話も残っている。藤本四段も長時間の行列には詰将棋タイム…?かと思いきや「実はあまり詰将棋が好きじゃないんです」。棋士には珍しいタイプかと思いきや、終盤型の西田五段も「めっちゃ気持ちわかます。僕も詰将棋好きじゃなかった」の告白が飛び出した。同じ森信雄七段門下の千田七段は、兄弟子の知られざる一面に「めっちゃ意外なんですけど!あんなに終盤勢いがある指し手するのに…」と驚きの声を上げていた。
次なる話題は、藤本四段の奨励会時代について。自宅のある香川県高松市から父の運転する車で片道3時間をかけて例会に通っていた当時のエピソードなど、千田七段と西田五段は興味津々の様子で聞き入っていた。勝って帰るときは好きなロックバンド・Mr.Childrenの名曲「シーソーゲームが好きで、高速道路で窓を開けてゴーと風が吹いている中で歌っていました」と親子の思い出を紹介。このエピソードと接戦を見越して、千田七段は3人のチーム名を「シーソーゲーム」と決定した。
チーム千田が挑む予選Eリーグは、藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)率いるチーム藤井と渡辺明九段(39)のチーム渡辺という、優勝候補がひしめき合う難所だ。初参戦の藤本四段は、厳しい対戦カードを前に「2割くらい絶望…」と苦笑いを浮かべたが、それでも「やっぱり藤井竜王・名人と渡辺九段とは1局指してみたい」と瞳を輝かせていた。2期連続出場となる西田五段は「どなたと当たっても自分の仕事をやるだけ。今年も頑張りたい」と冷静。初出場でいきなりリーダーの重責を担う千田七段は「肝心のチームリーダーがどう転ぶかというところですが、しっかり頑張りたいと思いますので応援よろしくお願いします」と呼び掛けていた。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)