キャスターやアイドルの恋愛が報道されると、批判的な声が多く寄せられるのはなぜだろうか。先日、あるお天気キャスターの女性がテニス選手との交際を発表したところ、ネット上には祝福のコメントが寄せられた一方、「ダメだ…脳がグラグラする」「弱者男性の姫が…」など阿鼻叫喚の声が溢れた。
【映像】柴田阿弥「ホテルの目の前に記者が…」アイドル時代を赤裸々告白
祝福の声があがる一方で、なぜネガティブな反応が目立つのか。この反応について、元アイドルで『ABEMAヒルズ』のMCを務める柴田阿弥キャスターが、世界ゆるスポーツ協会代表・澤田智洋氏と議論した。
――なぜアイドルたちの恋愛は叩かれるのか?
澤田氏:私は、“アイドルは安定を求められている”と勝手に思っている。ファンは不安定な毎日を送っているし、嫌なこともある。そんな中で、アイドルというある種の駆け込み寺のようなものを求めたときに、必ずそこにいて『私の方を見てくれている』という安心を得られることがすごく大事なのだ。アイドルの熱愛発覚はその安定性が崩れ、自分と合っていたはずの目が意中の相手に向けられることになるので、ファンがすごく嫌な気持ちになるのだろう。
柴田キャスター:私は前職がアイドルだったが、安定を求められているかはさておき、恋愛禁止を謳っていないアイドルも多い。しかし、恋愛スキャンダルが出て消えていった先輩や同期を数多く見てきたし、露骨に人気が落ちることは誰でもわかると思う。アイドルだった6年間、私は恋愛しなかったが、ばれずにやるか・恋愛しないかの2択しかないと考えていた。とはいえ、イベント前にホテルに宿泊した際も、ホテルの前には週刊誌記者がいたり車が停まっていた。ばれずに恋愛するのは厳しかっただろう。
――アイドルの「恋愛禁止」は人権侵害ではないのか?
澤田氏:人権侵害は基本的に、選択肢がなく、自分より上の立場の者から何かを強いられるときによく使われる言葉。アイドルになる・ならないという本人の自由があるので、純然たる人権侵害とは必ずしも言えないと思う。恋愛するとアイドルとしての価値が下がるということは、アイドルであれば自明。それと引き換えても恋愛するかは本人の意思次第。
柴田キャスター:どこに価値を置くか。モテたくてアイドルになる人もいるかもしれないし、売れるためという人もいるかもしれない。とはいえ、恋愛が発覚したからといって誹謗中傷や人権侵害はよくない。
――キャスターが恋愛して叩かれるのはなぜなのか?
澤田氏:キャスターも全員が叩かれるわけではないと思う。本人の意思、戦略でアイドル寄りのポジションを選択した方は炎上すると思うが、本来、アイドルとキャスターは全く立ち位置も戦略も違う。
柴田キャスター:そもそもビジネスモデルや、どこからお金を生み出しているかも違う。
澤田氏:そう。アイドルは直接ファンがグッズなどにお金を使うことが売り上げの一部となっているが、キャスターは企業に所属するケースが多い。
柴田キャスター:確かに、最近、元アイドルの方で同様のニュースがあったが、あまり騒がれなかった。どこをターゲットにするかがポイントであって、“オタサーの姫”のような売り方をしていると叩かれやすいのかもしれない。
澤田氏:戦略が大事だが、人間だから矛盾した行動も取るし、恋愛しちゃいけないとわかっていても、好きな人ができたら恋愛する。でも、それも含めたアイドルとかエンタメなのでは。嫌な気持ちになる人も多いと思うけれど、でも日常生活だけではそういう感情すらも得られない。それすらも尊いではないか。
――キャスターはやはり人気がある?
柴田キャスター:キャスターはめちゃくちゃモテると先輩が言っていた。やりたい人がいっぱいいる中で勝ち上がり、1つしかない席を掴んだ人たちなのでメンタルも強い。
(『ABEMAヒルズ』より)
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