「自分はすごい」なのに「ストレスに敏感」 自己愛性パーソナリティ障害を克服することの難しさ

精神科医・府中こころ診療所の春日雄一郎理事長
拡大する

 精神科医・府中こころ診療所の春日雄一郎理事長は、「自己愛性パーソナリティ障害の患者は“自覚”を持たないことが多い」と語る。

 春日氏は、自覚しにくい理由はいくつかあると前置きしたうえで、「自分はすごい」「自分よりも相手が下だ」と思っている点を挙げた。自分より下の人の意見を聞こうとはなかなか思わず「そういう謙虚さを持ちづらいというところが第一点」。

 さらに「ストレスにはすごい敏感で、繊細な面がある方が非常に多いと言われる。そうすると、それに直面することを避ける点においても、なかなか(他人の意見を)聞くことは難しい」と自己愛性パーソナリティ障害を克服することの難しさを訴えた。

 たかしさん・かおりさんのケースについては「自覚するまでが一番大変。いろんな経験があった上で、自覚して受け止めたのがすごく貴重なことで、大きな一歩だと思う」と称賛。

 一方で、自己愛性パーソナリティ障害の人は“ストレスに敏感”という点において「大きな出来事がないと(自覚を促すことは)なかなか難しい」とも指摘する。

  また、自覚を促そうにも、“人格”を指摘すると、より拒否反応が強くなってしまう。そのため、人を傷つけたり見下してしまう“行動”が良くないという指摘をしていくのが大事ではないか、と提言した。

(『ABEMA Prime』より)

この記事の画像一覧
「自分はもっと評価されるべき」「この人なら理解してくれるはず」歪んだ認識で周囲を困らせてしまう“自己愛性パーソナリティ障害” 周りがとれる対応は?
「自分はもっと評価されるべき」「この人なら理解してくれるはず」歪んだ認識で周囲を困らせてしまう“自己愛性パーソナリティ障害” 周りがとれる対応は?
ABEMA TIMES
芸能人の突然の訃報 心が苦しい方へ「情報から物理的に離れて」「精神的に1人にならず、抱え込まないで」「センセーショナルな報道より、気持ちを吐き出せる窓口の拡散を」
芸能人の突然の訃報 心が苦しい方へ「情報から物理的に離れて」「精神的に1人にならず、抱え込まないで」「センセーショナルな報道より、気持ちを吐き出せる窓口の拡散を」
ABEMA TIMES
「生きていて良かった」自殺未遂者のその後 大空幸星と考える“命をつなぐ方法”
「生きていて良かった」自殺未遂者のその後 大空幸星と考える“命をつなぐ方法”
また自殺ほう助か SNSで「死にたい」どう救う?大空幸星「プラットフォームも対策を」
また自殺ほう助か SNSで「死にたい」どう救う?大空幸星「プラットフォームも対策を」
この記事の写真をみる(5枚)