7月13日に福岡PayPayドームで行われた福岡ソフトバンクホークス対埼玉西武ライオンズの一戦で、西武・平良海馬が行った“ベンチへの申告敬遠リクエスト”について、西武でのプレー経験がある野球解説者のG.G.佐藤氏が言及した。
【映像】前代未聞!西武ベンチが大混乱する瞬間
問題となった場面は、両チーム無得点で迎えた同試合の5回裏・ソフトバンクの攻撃、2死一、二塁という場面。ここで迎えた3番・近藤健介に対し、平良は2球続けてボールとなり、カウント2-0とすると、ここでベンチに向かって右手を高く挙げ、次いで、駆け足をするようなジャスチャーを見せて、“異例”ともいえる申告敬遠のリクエストを行った。
走者二、三塁という場面ならいざしらず、一、二塁と一塁が空いていないこと、また、近藤を歩かせると、4番・柳田悠岐との勝負となってしまうことから、“想定外”であったのか、平良の意図をすぐに飲み込めなかった様子の西武ベンチは、なんとも当惑した雰囲気が漂い、故障と勘違いしたのか、トレーナーまでもがマウンドに向かうという珍しい事態となったが、その後、平良の意図を理解すると、松井監督が申告敬遠を主審に告げ、試合再開となった。
この珍しいひと幕について、7月15日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)で振り返ることとなったが、VTRでこの模様を確認したG.G.佐藤氏は、まず「今の時代はこれなんですよ。選手の主体性を大事にしてるんですよ。」と、ベンチの首脳陣ではなく、グラウンド上の選手である平良がこうしたリクエストを出し、それをベンチが受け入れるというスタイルを肯定的に捉えた上で、「これを受け入れる松井監督、素晴らしいです。」と、“受け入れた側”である松井監督を絶賛。さらにその理由としてG.G.佐藤氏は「(10年ぐらい前ならば)ガチギレされてますよ。お前が決めんなよみたいな。」と、自身の現役時代を含め、かつてはこうした選手が作戦を提案する形が“ご法度”であったことを明かしつつ、続けて、「これが今の時代に合った、ライオンズの野球だと思うんで。僕は好きですね。」と、改めてその戦いぶりに、OBとして太鼓判を押すこととなった。
なお、G.G.佐藤氏は、3番・近藤ではなく、4番・柳田との勝負を平良が選んだ理由について、「たぶん近藤選手よりも柳田選手の方が打ち取りやすいっていう(平良の)直感なんですかね。」「ピンチになればなるほど燃えるタイプだと思うんで。(元)中継ぎなんで。わざと究極の状態を作ったかもしれないです、自分を高めるためにも。」と、平良特有のピンチになると発動する“ギアアップ投球”を踏まえる形で推測。こちらについてネット上の野球ファンからは「抑える自信あったからしたわけで抑えれると思えることがまずすごいこと。簡単には真似できない」「ギータ、平良くんが苦手って去年言ってたからなあ 平良くんのことだから、合理的に考えてのことなんだろうが、実行するメンタル凄すぎ。」「これは語り継ぐべき名勝負」「これこそエンタメ!プロ野球!2アウト満塁背水の陣、対4番の男と男の勝負!結果は柳田の勝ちでタイムリーだけど、平良が押し勝っても両者納得。熱の入る真剣勝負、これは面白すぎた!」といった様々な反響が寄せられている。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)