【第105回全国高校野球選手権記念大会】八戸学院光星7-0明桜(2回戦・第7日・第1試合・甲子園)
選手は最後まで一丸となり戦った、それが何より指揮官には誇らしい。第105回全国高等学校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)の第7日目が12日、阪神甲子園球場で行われた。東北勢対決となった第1試合では明桜が八戸学院光星に0-7で敗れた。序盤から両校ともにチャンスを作りながらも0-0で進み、5回に八戸学院光星が3長短打などで3点先制、7回には藤原天斗選手(3年)によるレフトスタンドへの3ランで中押し、8回にも加点して勝利。一方の明桜は2年ぶりの初戦突破はならなかったが、試合後の指揮官は終始選手を称え、誇らしげだった。
2年生エースの洗平比呂選手に完封負け。それでも明桜ナインは随所でチャンスを作り、執念もみせた。試合後の明桜・輿石監督は「ウチは繋ぐ野球なので、もう一つそこができればと思いましたけど」と初回、2回と得点圏に走者を進めながら、あと1本が出なかった展開を振り返った。それでも最後まで気持ちを切らすことなく戦った選手には「でもみんな笑顔で終始戦っていましたので、最後の最後まで諦めずよく頑張ってくれたなという風には思います」と、賛辞を送った。
地方大会期間中の7月中旬に秋田県内は記録的に豪雨に見舞われた。明桜のグラウンドは氾濫した太平川の近くにあり、寮生たちは無事だったものの学校周辺の道路は冠水で通行できないなどの影響に悩まされた。大幅な日程変更などもあり、困難を経てこの夏の甲子園にたどり着いた明桜の挑戦はここで終わる。それでも監督は「今年は46人3年生がいまして、キャプテンを中心に、キャプテンも自分のことを考えず、誰一人辞めることなくやってきたチームですので、一丸となって戦えたなと思います。46人もいてやめなかったのは珍しい。元々、退部者は少ないですけど、それでも46人誰も辞めずに来たというのはよく頑張ったなと思います」とここまでの戦いに誇りを感じていたようだった。
この日はセンターで出場した篠崎拓真選手(3年)が2回表、2死走者一、二塁のピンチで抜けていれば先制点献上という打球を見事なスライディングキャッチ、チームを盛り立てた。さらに5回表、1死二、三塁の場面でも篠崎はホームへ好返球。マウンドに弾かれイレギュラーし、ここでの2失点は防げなかったものの、明桜のチーム一丸で諦めない野球を象徴するプレーが何度も飛び出し、その度にアルプススタンドからは大歓声が沸いた。解説を務めていた明徳義塾監督・馬淵史郎氏もこの戦いぶりを絶賛。5回表のイレギュラーを振り返り「ちょっと明桜さんにツキがなかった気がします。ヒット数も5本と4本ですしね。7-0となりましたが、中盤まではどちらが勝利するかわからなかった」と総括していた。
被災地を元気づけたい、という強い思いで地方大会を戦い抜き、チーム一丸で挑んだ夏の甲子園。46人の部員は胸を張って次のステージへ歩んでいくはずだ。
(画像提供:バーチャル高校野球)
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