アニメ「BLEACH(ブリーチ)」は、久保帯人氏により「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2001年から15年間に渡って連載された同名漫画を原作とする作品です。原作コミックスの累計発行部数が全世界で1億3000万部を超える人気作品で、アニメは2004年10月から2012年3月まで、8年間にわたり放送されました。
その後、10年の時を経て、最終章となる「BLEACH 千年血戦篇」の分割4クール放送が決定。2024年10月から第3クール「相剋譚」の放送が始まります。
この記事では、19年前に放送が始まった「死神代行篇」から、最新の「千年血戦篇」までに登場した数ある名言より、とくに人気が高いものを19個ピックアップ。名言が生まれた状況も併せて、詳しくご紹介します。
目次
- 人気アニメ「BLEACH」とは
- 名言1「俺の拳がでかいのは傷つけるためじゃない」茶渡泰虎/チャド
- 名言2「死にに行く理由に他人を使うなよ」浦原喜助
- 名言3「どうやらこっちじゃ最強の使い手ってのは、ダラダラと御託の長いヤツのことを言うらしい」石田雨竜
- 名言4「世界の正義をないがしろにしてまで通すべき己の正義などない!」山本元柳斎重國
- 名言5「憧れは理解から最も遠い感情だよ」藍染惣右介
- 名言6「敗北が恐ろしければ強くなればいい」朽木ルキア
- 名言7「戦いに於いて足手まといなのは “力のない者”ではない “覚悟のない者”だ」朽木ルキア
- 「名言8「大切なのは”どうあるべきか”ではなく”どうありたいか”デス」有昭田鉢玄
- 名言9「それで5回とも……同じ人を好きになる」井上織姫
- 名言10「仲間にケガさせてまで貫くほどのことじゃねえよ」黒崎一護
- 名言11「何かを考えるとき、誰かを思うとき、そこに心が生まれるんだ」志波海燕
- 名言12「私は“完璧”を嫌悪する」 涅マユリ
- 名言13「上に立つ者(モン)は下の者(モン)の気持ちはくんでも顔色はうかがったらあかん」平子真子
- 名言14「“自分の握る剣に怯えぬ者に剣を握る資格はない”俺はそう教わった」檜佐木修兵(ひさぎ しゅうへい)
- 名言15「てめえが俺より強かったら…俺が諦めると思ってんのか…?」黒崎一護
- 名言16「戦争なんて始めた瞬間からどっちも悪だよ」京楽春水
- 名言17「そいつはてめえのために死んでくれんのかって聞いてんだよ」斑目一角
- 名言18「誰かを見殺しにしたあたしを、明日のあたしは許せない」黒崎真咲
- 名言19「失ったものは切り捨てろ。戻ってくることを夢見ている暇はねえ」日番谷冬獅郎
- アニメ「BLEACH」名言のまとめ
人気アニメ「BLEACH」とは
物語は、人より霊感が強いだけの普通の高校生だった黒崎一護(くろさき いちご)と、死神・朽木ルキア(くちき ルキア)の出会いから始まります。ルキアは、死後の魂魄と死神の世界である尸魂界(ソウル・ソサエティ)から、現世に現れた悪霊の虚(ホロウ)を倒しに来ていました。
しかし、ルキアは一般人である一護を守って負傷。やむを得ず、死神の力を一護に分け与え、一護はルキアの代わりに虚と戦うようになります。そうして「死神代行」となった一護は、次第に尸魂界と現世の存亡に関わる大きな争いに巻き込まれていくのでした。
アニメ「BLEACH」には、一護とともに戦う現世の仲間として、井上織姫(いのうえ おりひめ)や茶渡泰虎(さど やすとら/チャド)、石田雨竜(いしだ うりゅう)などの魅力的なキャラクターが登場します。さらに、尸魂界の戦闘部隊である護廷十三隊や、虚の仮面を被る仮面の軍勢(ヴァイザード)たちなど、死神たちとの絆や、敵対する破面(アランカル)、見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)との激しい戦闘からも目が離せない作品です。
名言1「俺の拳がでかいのは傷つけるためじゃない」茶渡泰虎/チャド
アニメ第12話にて、チャドが初めて虚と戦うシーンで呟いた言葉です。
一護やチャドが暮らす空座町に虚が現れ、チャドは一護の妹・黒崎夏梨(くろさき かりん)と一緒に戦うことに。そこで、幼いころ祖父に言われた言葉を思い出します。
小さいころから体が大きく、ケンカが多かったチャドに、祖父は「お前は強い。お前は大きい。お前は美しい」と言い、虐げられるのは他の人が望むものを持って生まれてきたからだと諭しました。「だけど泰虎――お前は優しくなりなさい」「その大きく強い拳が何のためにあるのか――それを知りなさい」という祖父の言葉を胸に、チャドは夏梨と街を守るために戦います。
人を守るためのこの戦いで、チャドの能力が目覚め、右腕が初めて変化しました。攻撃と同時に守備にも優れたチャドの右腕は、チャドの強さと優しさを反映したものと言えるのではないでしょうか。
名言2「死にに行く理由に他人を使うなよ」浦原喜助
第17話にて、自分をかばって尸魂界に連れ戻されたルキアを助けに行こうとする一護に、浦原喜助(うらはら きすけ)が言った言葉です。
ルキアを連れ去った朽木白哉(くちき びゃくや)と阿散井恋次(あばらい れんじ)は護廷十三隊の隊長・副隊長です。一護は2人を止めようとするものの、彼らの圧倒的な強さにまったく歯が立ちませんでした。それでも今すぐルキアを助けに行くと息巻く一護に、浦原は厳しい顔でこの言葉を放ちます。
その言葉にハッとした一護に、浦原はルキアの処刑までに残された期間で一護を鍛えてから、尸魂界へ行く算段を伝えます。厳しい言葉を用いつつも、浦原のサポートは、ルキア救出には欠かせないものとなりました。
第17話が放送されたのは2005年ですが、浦原の言葉は「これほんと好き」「後世に残したいジャンプ名言」など、いまでもSNSでたびたび投稿があるほど人気の名言です。
名言3「どうやらこっちじゃ最強の使い手ってのは、ダラダラと御託の長いヤツのことを言うらしい」石田雨竜
第28話にて、瀞霊廷(せいれいてい)で迎え撃つ死神と戦った石田雨竜が言った言葉です。
一護たちはルキア救出のために尸魂界に乗り込みますが、瀞霊廷に侵入したときに散り散りになってしまいました。織姫とともにみんなとはぐれた石田は、護廷十三隊七番隊第四席、一貫坂慈楼坊(いっかんざか じろうぼう)と交戦します。石田は、自らの斬魄刀や自分の強さを延々と語る慈楼坊の前に立ちふさがり、舞い飛ぶ慈楼坊の斬魄刀・劈烏(つんざきがらす)を一瞬で撃ち落として、この言葉で煽りました。
いままで以上に滅却師(クインシー)としての強さを発揮する石田が、織姫をかばって戦うかっこいいシーンです。頭脳派で皮肉の多い石田の人柄を感じさせる言葉と言えるでしょう。
名言4「世界の正義をないがしろにしてまで通すべき己の正義などない!」山本元柳斎重國
第55話にて、護廷十三隊総隊長・山本元柳斎重國(やまもと げんりゅうさい しげくに)が愛弟子であった隊長格2人と交戦したときに放った言葉です。
ルキアの処刑に疑問を持った十三番隊隊長の浮竹十四郎(うきたけ じゅうしろう)は、親友でもある八番隊隊長の京楽春水(きょうらく しゅんすい)の協力を得て、処刑を行う双極を破壊。山本総隊長はそれに怒って、2人と戦闘になります。
もともと2人は山本総隊長の教え子で、総隊長も2人を息子のようにかわいがっていました。だからこそ、怒りは収まりません。京楽は「自分の正義を貫けと教えてくれたのもあんたさ」と言い、それに対して総隊長はこの言葉を返しました。尸魂界を守護する護廷十三隊総隊長としての、責任感の強さを感じる言葉です。
名言5「憧れは理解から最も遠い感情だよ」藍染惣右介
第60話にて、藍染惣右介(あいぜん そうすけ)が黒幕と気づいた十番隊隊長の日番谷冬獅郎(ひつがや とうしろう)に、藍染が言った言葉です。
処刑執行直前でルキアが一護に救出されていたころ、中央四十六室が全滅しているのを見て呆然とする五番隊副隊長の雛森桃(ひなもり もも)に、藍染が歩み寄ります。雛森は、死んだはずの藍染が生きていたことに感動。藍染は優しく抱きしめながら、刀で雛森を貫きました。
駆けつけた冬獅郎は、護廷十三隊の隊士や隊長たちだけでなく、雛森を裏切った藍染に激怒。雛森と幼馴染だった冬獅郎は、雛森が藍染にあこがれて護廷十三隊に入り、努力の末副隊長にまで上り詰めたことを知っていたのです。
しかし、藍染は冬獅郎に向かって穏やかにこの言葉を発し、藍染に憧れていた雛森こそ藍染にとっては御しやすく、騙しやすい存在だったと伝えました。笑顔でそれを伝える姿に、藍染の冷酷さと非情さを感じさせる言葉です。
この言葉も現在でも人気が高く、第293話の「一体いつから鏡花水月を使っていないと錯覚していた?」とともに、藍染の名言としてよく話題になる言葉です。第293話のセリフは「いったいいつから〇〇と錯覚していた?」と言葉を変えて使われることも多い人気のフレーズです。
名言6「敗北が恐ろしければ強くなればいい」朽木ルキア
第115話にて、現世にやってきたルキアが、弱気になっていた一護に言った言葉です。
現世に現れるようになった藍染の部下の破面たちは強く、チャドや織姫は重傷を負います。先の戦いで自身が虚化する兆しに気づいていた一護は、虚化も敗北も恐れるあまり、戦えなくなっていました。
この言葉は、護廷十三隊とともに現世にやってきたルキアが、そんな一護に活を入れた名言です。一護の恐れを理解しつつも「敗北が恐ろしければ強くなればいい。仲間を守れぬことが恐ろしければ強くなって必ず守ると誓えばいい。内なる虚が恐ろしければそれすらたたきつぶすまで強くなればいい。他の誰が信じなくともただ胸を張ってそう叫べ」とルキアは言い切ります。一護の力を信じているからこその厳しい言葉に、一護は迷いを捨てて戦いに身を投じます。
名言7「戦いに於いて足手まといなのは “力のない者”ではない “覚悟のない者”だ」朽木ルキア
第127話にて、ルキアが織姫にかけた名言です。
虚圏(ウェコムンド)に居る藍染との決戦に向けて、一護やチャドは修行を開始。一方で織姫は「盾舜六花(しゅんしゅんりっか)」の椿鬼(つばき)が壊れたことで能力が十分に使えず、浦原に戦線から外れるよう告げられます。はっきり足手まといと言われて落ち込む織姫は、その後、バッタリ会ったルキアに事情を説明しました。
浦原の言葉に怒るルキアに対し「これでよかったんだよ」となだめる織姫ですが、やはり一緒に戦えなくて寂しいと本音が漏れ出します。それでも足手まといになりたくないと言う織姫に、ルキアはこの言葉をかけました。この言葉で織姫は覚悟を決め、自らも修行をすることにします。
以前、みんなが力を合わせて処刑直前の自分を救い出してくれたという恩義を忘れていないルキアは、織姫もそのときに戦っていたことを覚えていました。覚悟を持って挑んだあの戦いで、足手まといになった者はいなかったと言って、織姫の涙を拭います。後の第160話で、虚圏に連れ去られた織姫を命がけで助け出そうとしたルキアは、捕らわれた者の孤独と、助けに来てくれたときの喜びを語っていました。
「名言8「大切なのは”どうあるべきか”ではなく”どうありたいか”デス」有昭田鉢玄
第127話にて、有昭田鉢玄(うしょうだ はちげん/ハッチ)が織姫にかけた言葉です。
結界を張ったり、結界内のものを回帰させたりする能力を持つ仮面の軍勢のハッチは、織姫の壊れた椿鬼を修復しました。しかし、能力は戻ったものの、自分と同じように戦闘系でない能力者である織姫の参戦を、ハッチは心配します。それでも「戦いたい」と言う織姫に、ハッチは優しくこの言葉をかけて応援しました。
穏やかなハッチの人柄がにじみ出るこの言葉は、誰もが聞いてハッとするでしょう。アニメの中はもちろん、実生活の教訓にもなるこの名言も、「自分の本音を知る機会になる」「ハッチのセリフも刺さる」と、SNSなどで多くコメントが上がっています。
名言9「それで5回とも……同じ人を好きになる」井上織姫
第141話にて、現世を去る直前に織姫が言った言葉です。
迫る破面との決戦に参加するため、尸魂界で修行をしていた織姫ですが、現世に戻る途中にウルキオラ・シファーの接触を受けます。圧倒的な強さを見せつけたウルキオラは、織姫に虚圏へ同行を求めました。断ったら一護たちの命を奪うと脅され、織姫はその要求を受諾。現世を去る前に一人だけ別れを告げることを許された織姫は、一護のもとに向かいます。
夜中、自室で眠る一護を前に織姫は涙を流し、「あ~あ! 人生が5回ぐらいあったらいいのになあ! そしたらあたし5回とも違う町に生まれて、5回とも違うものおなかいっぱい食べて、5回とも違う仕事して……それで5回とも……同じ人を好きになる」と言い、別れを告げて去っていきました。何度違う人生を生きても、好きなるのは一護だけという織姫の一途な思いが伝わる名言です。
名言10「仲間にケガさせてまで貫くほどのことじゃねえよ」黒崎一護
第152話にて、虚圏で一護が破面No.103、ドルドーニ・アレッサンドロ・デル・ソカッチオと交戦したときの言葉です。
ふざけたような容姿や話し方とは裏腹に、十刃落ちのドルドーニは強く、戦いながら一護に卍解(ばんかい)を使うように迫ります。しかし、まだそのときではないと、一護は卍解を拒否。その結果、一護をかばったネル・トゥが攻撃を受けてしまいました。それを見た一護は、すぐに卍解し、意地を張ったせいでケガをさせたとネルに謝罪。強さを求めるために自らを律するのは素晴らしいというドルドーニに、この言葉を口にします。
本来、一護は、十刃と対戦するために鍛えてきた卍解を出すつもりはありませんでした。しかし、同時に仲間を守るというもっとも大切な目的も忘れてはいませんでした。仲間ためには躊躇なく卍解する姿に、一護らしい優しさがうかがえる名言です。
名言11「何かを考えるとき、誰かを思うとき、そこに心が生まれるんだ」志波海燕
第160話にて、ルキアの回想シーンで志波海燕(しば かいえん)に言われた言葉です。
虚圏の虚夜宮(ラス・ノーチェス)で、ルキアは第9十刃(ヌベーノ・エスパーダ)のアーロニーロ・アルルエリと交戦します。ルキアの先輩だった志波海燕の顔と口調で戦うアーロニーロに、ルキアは刀を振るえません。劣勢での戦いの末、その刀に貫かれたルキアは、海燕と交わした会話を思い出していました。
実力のない自分が護廷十三隊に居ていいのかと悩んでいたルキアに、海燕は心がどこにあるかという話をします。人と人が触れ合うときそこに心が生まれ、心がここに居たいと思うなら、それがここに居る理由だと、ルキアに諭す海燕。死ぬときは仲間に心を預けていくから、1人で死ぬなという海燕の言葉を、ルキアは思い出しました。海燕の心は自分が預かっていて、アーロニーロが海燕の霊体を取り込んでいたとしても、そこに心があるわけではないと悟ります。
人と関わることで心が生まれ、仲間に心を預けていくという考えに、海燕の心の暖かさや、死神たちの絆を感じさせる言葉となりました。
名言12「私は“完璧”を嫌悪する」 涅マユリ
第200話にて、十二番隊隊長の涅マユリ(くろつち マユリ)が交戦した破面に言った言葉です。
十二番隊隊長と技術開発局局長を兼任する涅マユリと、破面の第8十刃(オクターバ・エスパーダ)のザエルアポロ・グランツとの交戦は、奇しくもマッドサイエンティスト同士の戦いとなりました。自分が「完璧な生命」と勝ち誇るグランツですが、マユリにすべての動きが止まって見える「超人薬」を投与され、体感で100年かけて心臓を貫かれる残酷な方法でマユリが勝利します。
戦いの後で、マユリはこの名言をグランツに言い放ちました。完璧とは、それ以上がないことであり、「我々科学者にとって“完璧”とは“絶望”だヨ」とマユリは言います。驚くべき研究成果を上げながらも、つねにそれ以上を望む科学者としての信念と向上心がうかがえる言葉です。
名言13「上に立つ者(モン)は下の者(モン)の気持ちはくんでも顔色はうかがったらあかん」平子真子
第207話にて、過去編で浦原喜助が十二番隊隊長になったときに、当時五番隊隊長だった平子真子(ひらこ しんじ)がかけた言葉です。
110年前の瀞霊廷で、浦原は新しく十二番隊隊長に任命されますが、反抗的な副官の猿柿ひよ里(さるがき ひより)に手を焼いていました。困りつつも、仲良くしたいという浦原に、平子がこのアドバイスをします。さらに「好きなようにやったらええ。それで誰もついてけえへんかったら、器やなかったっちゅうだけの話や」と先輩隊長らしい姿を見せました。
そんな平子は当時、藍染を副隊長に従えていました。平子は飄々として誰とでも関西弁で明るく話す態度を見せていましたが、実は藍染を警戒し、気を許していませんでした。この言葉は、組織の上下関係において、いまでも刺さる言葉であり「リーダーの極意」「自分もそうありたい」とSNSでも話題になることが多いです。
名言14「“自分の握る剣に怯えぬ者に剣を握る資格はない”俺はそう教わった」檜佐木修兵(ひさぎ しゅうへい)
第219話にて、檜佐木修兵(ひさぎ しゅうへい)が破面との交戦中に言った名言です。
九番隊副隊長の檜佐木は、空座町に攻めてきた破面との決戦で、第2十刃(セグンタ・エスパーダ)バラガン・ルイゼンバーンの従属官(フラシオン)フィンドール・キャリアスと戦います。始めはフィンドールに押されていた檜佐木ですが、始解して十字の鎖鎌のようになった斬魄刀「風死(かぜしに)」を操り、刀筋の読めない動きで反撃に出ました。
「怖えか?」という問うと「誰が!」と言い返したフィンドールに、檜佐木は「底が知れるぜ」と言い放ちます。自らの強さを自覚することで、その力に振り回されずに剣を振れるという、剣士としての矜持を感じさせる言葉です。
“自分の握る剣に怯えぬ者に剣を握る資格はない”という言葉は、檜佐木が副官として仕えていた隊長・東仙要(とうせん かなめ)に教わったものでした。それを今でも心に留めて戦う檜佐木の言葉からは、東仙への尊敬と、裏切られたショックもうかがえます。
名言15「てめえが俺より強かったら…俺が諦めると思ってんのか…?」黒崎一護
第270話、第4十刃(クアトロ・エスパーダ)の破面、ウルキオラとの戦闘中に一護が言った言葉です。
藍染に連れ去られた織姫を助けるために、虚圏に乗り込んだ一護を迎え撃ったのは、ウルキオラでした。圧倒的な力を見せつけても斬魄刀を離そうとしない一護に、いらだったウルキオラは「未だ俺を倒せると思っているのか?」と問います。その問いに、一護はこの言葉を返しました。
敵の強さがわかっていてなおあきらめず、倒すことを宣言する一護に、覚悟を感じる名言です。一護は勉強もでき、冷静でクレバーなところも多い主人公ですが、理屈を超えて実力差がある相手にも挑もうとする場面には心を打たれます。実際、一護はこの直後に胸に穴を開けられて瀕死に陥りますが、織姫の治療で一命を取りとめ、後の再戦で見事ウルキオラを倒しました。
名言16「戦争なんて始めた瞬間からどっちも悪だよ」京楽春水
第283話にて、空座町の決戦で第1十刃(プリメーラ・エスパーダ)コヨーテ・スタークを倒した後、京楽が仲間に言った言葉です。
空座町の決戦では、京楽はスタークに一度は戦闘不能に追いやられるも、すぐに復活します。そして仮面の軍勢の愛川羅武(あいかわ ラブ)と鳳橋楼十郎(おおとりばし ろうじゅうろう/ローズ)がスタークと交戦したところに割り込み、最終的には京楽が倒しました。これは戦闘後、「変わんないッスね。他人の戦いに途中で手ぇ出す、そういう流儀のねえとこは」とラブに言われ、京楽が返した名言です。
「貸しがあろうが借りがあろうが戦争なんて始めた瞬間からどっちも悪だよ」という言葉に、ふだんはいいかげんな言動が多いように見えて、いざとなったらどんな手を使っても勝ちを優先する隊長としての姿勢を見せました。同時に戦いの虚しさを悟っているようにも感じさせ、切なさもうかがわせます。
名言17「そいつはてめえのために死んでくれんのかって聞いてんだよ」斑目一角
第364話、「死神代行消失篇」で、斑目一角(まだらめ いっかく)が獅子河原萌笑(ししがわら もえ)に言った言葉です。
十一番隊副隊長の斑目角は、運が向上する完現術「ジャックポット・ナックル」を使う完現術者(フルブリンガー)と戦います。殴り合いの末に獅子河原を倒しましたが、獅子河原は完現術者の集団であるXCUTION(エクスキューション)のメンバーで、自身が尊敬する月島秀九郎(つきしま しゅうくろう)のためなら死ねると言います。それに対して、一角はこの言葉を返しました。
そんなの関係ないという獅子河原に、一角は「命懸けんなら対等に懸けろ! 兄貴だろうが舎弟だろうが、自分のために死んでくれるヤツのためだけに死ね! てめえの命を安くしてるのはガキの粋がりだ!」と畳み掛けます。自分がそこまで相手から思われていないと思い至った獅子河原は、それを聞いて俯きました。
一角は考えるより先に体が動くタイプで、自分が仕え、尊敬する十一番隊隊長の更木剣八(ざらき けんぱち)のためなら、喜んで命を投げ出します。しかし、この言葉から、それが一方的な自己犠牲ではなく、自分のためなら剣八も命を懸けてくれるという信頼によるものとわかります。一角の強い信念と同時に、一角と剣八の絆の強さをうかがわせる名言です。
名言18「誰かを見殺しにしたあたしを、明日のあたしは許せない」黒崎真咲
「千年血戦篇」第11話にて、後に一護の母となる黒崎真咲(くろさき まさき)が、石田雨竜の父となる石田竜弦(いしだ りゅうげん)に言った言葉です。
当時、高校生の真咲は、純血統の滅却師である黒崎家の生き残りとして、同じく純血統である石田家に世話になっていました。虚が出現しても、その血を守るために真咲や竜弦は最前線で戦うべきではないと止める竜弦に、真咲はこの言葉を残して戦いに行きます。その結果、後に一護の父となる志波 一心(しばいっしん)を助けて負傷しました。
負傷により虚化しかかった真咲と、真咲を助けようとする竜弦、事情を知って驚く一心のもとに、真咲を助ける方法を知る浦原喜助が現れます。その方法は、死神である一心が人間の魂で作った義骸に入り、死ぬまで真咲を守り続けるというものでした。さらに、その義骸に入ると二度と死神には戻れないと告げられます。
しかし、一心は「分かった、やる!」と即答。死神に未練はないのかと問われた一心は、未練はあることは認めつつも、「未練に足を引っ張られて恩人を見殺しにした俺を明日の俺は笑うだろうぜ!」と言い切りました。真咲の言葉を聞いていないにも関わらず、彼女の言葉に呼応するような発言をした一心に、竜弦は衝撃を受け、身を引きました。
滅却師の未来を担おうとする竜弦の考えも理解し、尊重しつつ、手の届くところにいる人は助けたいと信念を貫く真咲の言葉と、恩人を絶対に見殺しにはできない義理堅い一心の言葉。2人の言葉から伝わる、人を助けたいという思いと自分への厳しさは、一護にもしっかり受け継がれました。
名言19「失ったものは切り捨てろ。戻ってくることを夢見ている暇はねえ」日番谷冬獅郎
「千年血戦篇」第13話にて、日番谷冬獅郎が剣術の鍛錬をしながら心の中で言った名言です。
瀞霊廷に攻め込んだ見えざる帝国の刺客たちは、卍解を奪い取る力を持っていました。冬獅郎も決戦に向けて研鑽を重ね、極限まで鍛えた卍解を奪われてしまいます。
自らの必殺技であり、隊長格のアイデンティティとも言える卍解を奪われたことは、戦力的にはもちろん、精神的にも辛いものです。しかし、冬獅郎はそこで折れず、自らの部下にあたる十番隊剣術指南役に頭を下げ、一般剣士に混ざって剣術の鍛錬に励みます。
そのような状況でも「前を見るんだ、前を」と刀を振る姿は、冬獅郎の心の強さをうかがわせました。
アニメ「BLEACH」名言のまとめ
アニメ「BLEACH」では、敵・味方に関わらず、多くの名言が出現しました。10年以上前の登場から現在まで、長く語り継がれる名言もたくさんあります。2024年10月から放送される「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」でも、心に残る名言の登場が期待されます。
(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
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