■「“寝た子を起こすな”と言われるが、寝っぱなしでは餌食になる」

 性行為を18歳未満で経験した人は16.6%、中学以下で経験した人は5.2%いる(日本財団「第39回18歳意識調査」を元にABEMA Prime集計)。

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 近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「中高生は年頃的に、特に男子は『早く経験したい』みたいなことを、本気で友達同士で言っているわけだ。相手の気持ちよりも、自分が早く経験したらなんか偉いみたいな雰囲気が充満している。性教育があればそこはもう少し啓蒙されるのではないか」との見方を示す。

 柴田は「女子校もそういう雰囲気があった」と同意し、「今はお金をかけなくてもネットで性的なコンテンツをすぐに見ることができる。正しい知識がないと、“これが性犯罪なのか”ということを認知できない。性交するにあたってのリスクを理解できていない」と指摘。

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 二宮氏は、ネット上で得る知識は断片的なものだとし、「わかりやすいところで盗撮が増えた。昔はカメラも巧妙なものが作られていて、一般の人が盗撮することはなかったが、今は携帯で誰でもできてしまう。そうすると、そんなに悪いことじゃないのかなと子どもたちは思ってしまう」と警鐘を鳴らした。

 今年4月から、全国の小中学校で「生命(いのち)の安全教育」が進められている。教材の主な内容は“水着で隠れる大切な場所は見せたり触ったりしないようにしよう”という伝え方でプライベートゾーンを守ること、性暴力やデートDVの危険性、SNSの距離感などがある。しかし、性交や妊娠についてははどめ規定同様、教材の中で取り扱っていない。

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 櫻井氏は「性暴力抑止のために、文科省が性教育と言わないで伝えたいという工夫だ。しかし、性交について取り扱わないのはそのままなので、謎が多い。この教育もそうなのだが、禁止・抑制の色がすごく濃い。それで行動を制限できるかというと、何の効果もないことはもう明らかだ。それよりも、起こった出来事にどう対処するかや、対処するための知識やスキルを磨くこと。子ども同士でしゃべると間違った方向に行くという意見もあるが、何か起こった時に助け合う力もついていくと思う。“寝た子を起こすな”と本当にずっと言われているが、本当に寝ているのかと。逆に寝っぱなしだったら餌食になるかもしれず、そこは正しい知識が必要なのではないか」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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