藤井聡太竜王、八冠制覇から初のタイトル防衛 同学年の伊藤匠七段にストレート4連勝で3連覇達成/将棋・竜王戦七番勝負
【中継】藤井竜王VS伊藤七段 終局後インタビューと感想戦(生中継中)

 将棋藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が、11月10・11日の両日に行われた第36期竜王戦七番勝負第4局で挑戦者の伊藤匠七段(21)を破り、シリーズ4連勝で防衛を決めた。番勝負期間中の10月11日に史上初の八冠制覇を成し遂げた藤井竜王は、偉業達成後初となるタイトル堅守。“同学年対決”を制して3連覇を飾り、年内のタイトル戦全日程を終えた。

【中継】藤井竜王VS伊藤七段 終局後インタビューと感想戦(生中継中)

 絶対王者・藤井竜王が保持する八冠の一角、最高峰タイトルを堅守した。“同学年対決”として注目を集めた本七番勝負。開幕時の両者の合計年齢41歳は、タイトル戦史上最年少の組み合わせとなった。番勝負初登場となった同学年の伊藤七段に対し、藤井竜王は圧倒的な力を見せつけ4連勝。戦型を問わず盤石の指し回しで防衛・3連覇を飾った。

 北海道小樽市の旧鰊御殿「銀鱗荘」で行われた第4局は、藤井竜王の先手で角換わり腰掛け銀出だしに。互いが得意とする戦型とあり、工夫を凝らしながらも猛スピードで指し進められた。1日目は伊藤七段の82手目で指し掛けに。異例の速さで終盤戦に突入したとあり、ABEMAの解説からは「次世代のタイトル戦」との声も上がっていた。

 1日目は挑戦者ペースと見られていたものの、封じ手開封から再開された2日目には藤井竜王が攻め合いから形勢を押し戻すことに成功。鋭い攻め込みと強い受けと緩急自在の指し回しで、ぐんぐんとリードを拡大させた。最終盤では先手が露出する危険な状態にも藤井竜王は意に介さない。独自の勝負術で白星を引き寄せ、白星を手にした。

 藤井竜王は、「実感はまだないが、3連覇という結果を出すことができたのは良かった。どれも難しい将棋だったが、特に第3局は比較的上手く指せた感触があった。充実したシリーズではあったかなと思う」とコメント。敗退した伊藤七段は「自分の力不足が顕著になったシリーズだった。藤井竜王の強さを感じるシリーズだったので、勉強になった。これを糧に今後も精進していきたい」と話した。

 この勝利により、タイトル戦の連勝数は19連勝に。故・大山康晴十五世名人の連続獲得記録にも並んだ。さらに、藤井竜王は2023年内のタイトル戦全日程が終了。防衛戦に加えて、名人戦七番勝負を制し史上最年少名人就位、王座戦五番勝負のシリーズ勝利で前人未踏の八冠制覇した。足跡には金字塔がずらりと並んだものの、一瞬も気が抜けない厳しいタイトル戦ロードだったことは間違いない。年内最後の防衛戦を、3連覇の快挙で締めくくった。

 今後の藤井竜王は、11月13日に首相公邸で行われる「内閣総理大臣顕彰式」に出席。19日には、連覇がかかる将棋日本シリーズ決勝戦に臨む。タイトル戦で全国を飛び回るハードスケジュールはやや緩むものの、研究や調整、各種公務で簡単に“オフシーズン”とはいかないようだ。さらなる進化を求める藤井竜王は、これからどんな新しい世界を見せてくれるのか。今後も興味は増すばかりだ。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第36期 竜王戦 七番勝負 第4局 2日目 藤井聡太竜王 対 伊藤匠七段
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