“愛弟子”の選出は確定か!?全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、チーム中部の監督を務める杉本昌隆八段(55)が「大会出場登録棋士」の構想を語った。八冠保持者の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)、豊島将之九段(33)らトップ棋士が名を連ねるチーム中部。注目の出場メンバーは、2024年1月6日に放送される監督会議で発表される。
本大会は、日本将棋連盟会長・羽生善治九段(53)が就任直後から掲げていた「将棋を通じての地域活性化」の理念を元に、将棋連盟100周年企画として“地域を背負う”をコンセプトに開催される団体戦だ。棋士は「地域エントリー制度」として自身の出身、育った場所、居住地などの中から、所属する「地域チーム」を自ら選択することができる。杉本監督の元には、愛弟子で八冠王の藤井竜王・名人のほか、関東所属棋士の松尾歩八段(43)、関西所属の澤田真吾七段(32)、服部慎一郎六段(24)らも出身地から中部地区へのエントリーを選んだ。
さらに大きな戦力として、藤井竜王・名人とも数々のタイトル戦を戦ってきた豊島将之九段(33)も中部地区へのエントリーを決意。タレント揃いのエントリーリストを確認した杉本八段は、「朗報だ!」と思わず歓喜の声を上げたという。大会には監督を含む全5人で臨むことになるが、「トップ棋士2人については、出場登録棋士の最有力です」と早くも構想を明かした。
しかし、10県をカバーする中部地区とあり、愛知県外の棋士の出場を望む声も多い。「三重県は澤田真吾七段がいますし、北陸は服部六段がいます。あと、静岡は青嶋未来六段もいますしね。選びたい人が多すぎて逆に困りました。どう頑張っても選べるのは4名なので絞り込むのが大変で…。正直なところ、もし自分が第三者目線で見たら“杉本八段”は選ばないなという気がするんです(笑)。私が出るんだったら、違う人出してあげたいなって思ってしまいます…」と想像以上に難しい選択を迫られているという。
そんな中で頼りになるのは、チームを応援してくれる地元のファンの存在だ。すでに地域チームでの活動は開始しており、「商店街を回ったり地元の学校を訪問したりしましたが、改めて将棋熱の高さを感じました」と熱い声援が大きな原動力となっていることを強調した。
藤井竜王・名人と豊島九段のメンバー入りが有力視されているとあり、他7地区の監督からライバル視されることは必至。「日本の真ん中のチームとして今まで以上に将棋を盛り上げて行きたい」と語る杉本八段は、宣言通りに“愛弟子”を指名するのか、はたまた全く違うカードを切るのか。どのような構想を描いているか、全将棋ファンが注目することになりそうだ。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)