優勝候補の地域からはどんな最強メンバーが選出されるのか。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」は、2024年1月6日に放送される監督会議で「大会出場登録棋士」が発表される。チーム関東B(東京・神奈川)の監督を務める渡辺明九段(39)は、8地区で最多48名のエントリーを抱えているだけにメンバー選出は悩みどころだ。役者揃いの関東Bはどんな顔ぶれになるのか。
配下の県は2県ながら、エントリー数は8チームの中で最多の48人。高橋道雄九段、中村修九段、森内俊之九段、郷田真隆九段らベテランのタイトル経験者のほか、ABEMAトーナメントでも2回の優勝経験を持つ強豪・永瀬拓矢九段、高見泰地七段、増田康宏七段、そのほか2月に開幕する棋王戦五番勝負の挑戦者に決まっている新鋭・伊藤匠七段も所属している。渡辺監督は「この中で2チーム、3チームできそうなぐらい。本当に選びたい放題みたいなメンバーが集まっている」と頭を悩ませている。
大会出場登録棋士の構想は、「東京の神奈川のバランスだったり、年齢構成だったり。いろんなことを考えながら選んでいきたい」という渡辺監督。先に開催した地域会で早速ファンと交流も持ったが、「人気棋士が多い地域なので、『誰々先生を推してます』とか『誰々先生お願いします』みたいな声が非常に多かったです。実際にそういう人気がある棋士を選んでいくことになると思うんですけど、声援を背負っている分ちょっとプレッシャーも感じています」と語った。
もちろん苦悩だけではなく、大会を楽しむ気持ちは誰よりも強い。「初めての企画なのでいろいろ手探りのところもありますけども、その分みんなのモチベーションも高いと思います。地域活性化、地域密着をテーマに掲げていますので対局の配信だけでなく、棋士が多い分、実際の現場で行ってファンの皆さんと交流する機会も多く持てることがチーム関東Bの強みだと思っているんです」。さらに、「そういったところで将棋の楽しさだったり、棋士の人となりだったり、そういうものを発信していきたいと考えています」と熱い思いを語った。
関東Bは優勝候補の呼び声も高い地域。渡辺監督がチームに迎える精鋭4名はどんなメンバーになるのか。ファンはもちろん、他7地区の監督にとってもその発表は“緊張の瞬間”となるに違いない。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)