アニメ「薬屋のひとりごと(くすりやのひとりごと)」は、2023年10月から連続2クールで全国放送された後宮謎解きアニメです。
▶妓女の価値を下げる方法とは? 17話
▶鍵の開かないタンスの謎 16話
▶猫猫先生、「女の園の秘術」を教授 14話
原作は、日向夏氏が小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載中の同名小説を、自身の手で加筆・修正して出版された書籍です。「月刊サンデーGX」(小学館)と「月刊ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)からコミックスも2種類、刊行されています。
作中では、重要な意味を持つアイテムとして簪(かんざし)が登場します。この記事では、簪を渡す意味や、主人公・猫猫(まおまお)に簪が贈られたのは何話なのかも解説していきます。
目次
- アニメ「薬屋のひとりごと」とは
- 簪のエピソードが描かれる園遊会とは?
- 猫猫が簪を受け取るのは何話? 小説や漫画だと何巻?
- 「薬屋のひとりごと」作中で簪をあげる意味は?
- 「薬屋のひとりごと」のグッズに簪がある!?
- 「薬屋のひとりごと」簪のまとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」とは
物語の舞台は、大陸の中央に位置するとある大国の後宮です。花街で薬師をしていた猫猫は、人さらいにあい、後宮で侍女として働いていました。毒と薬にしか興味のない猫猫は、年季が明けるまで目立たずに過ごすつもりでしたが、帝の御子が続けて病気になっている原因を匿名で知らせたことから、美形の宦官・壬氏(じんし)に目を付けられます。
壬氏から帝の寵姫の毒見役に抜擢された猫猫は、女たちの噂と陰謀が渦巻く後宮で、薬の知識と深い洞察力を活かして、さまざまな事件を解決していきます。
簪のエピソードが描かれる園遊会とは?
簪のエピソードが登場するのは、アニメ第5~7話で描かれた園遊会のシーンです。第5話から園遊会の準備が始まり、当日のエピソードは第6話、その後の話が第7話で描かれました。第6話の園遊会当日では、会の最中に起きた妃の食事への毒混入事件を中心に物語が進みます。
園遊会は、年に2回、宮廷の庭園に帝や位の高い人々が集まり、出し物や食事が振る舞われるイベントです。本来は帝と皇后が出席するのですが、現帝は未婚で皇后がいないので、正一品(しょういっぽん)の后を伴います。正一品の后とは、皇后の最有力候補のことです。第6話の園遊会の開催時は、玉葉妃(ぎょくようひ)・梨花妃(りふぁひ)・里樹妃(りーしゅひ)・阿多妃(あーどぅおひ)の4人の上級妃が、この正一品の立場でした。園遊会では食事が振る舞われるため、猫猫も玉葉妃の毒見役として出席します。
夫人たちは招かれる立場なので、何かするわけではありませんが、侍女たちは寵を争うほかの宮に劣らないように、妃を着飾らせると同時に、自分たちも華やかに装います。
前回の園遊会は、玉葉妃と梨花妃は出産直後で欠席していました。今回は四夫人がそろい、玉葉妃の娘・鈴麗(りんりー)公主のお披露目ということもあって、玉葉妃の侍女たちも気合が入っていました。
春の園遊会とはいえ、時期はまだ寒い頃。猫猫は、下着にカイロを入れられるようにポケットをつけたり、体が温まる生姜入りの飴を用意したりと寒さを凌ぐ工夫を施します。周囲の人たちにも頼まれて同様のものを作り、喜ばれました。
猫猫が簪を受け取るのは何話? 小説や漫画だと何巻?
園遊会で、猫猫は首飾り1つと簪3本を受け取ります。貰った相手は、玉葉妃・壬氏・李白(りはく)・梨花妃の4人です。
玉葉妃からもらったのはアニメ第5話
玉葉妃からもらったのは、簪ではなく首飾りです。玉葉妃は園遊会前の身支度をしているときに、翡翠宮の侍女たちへアクセサリーを渡し、猫猫には首飾りを贈りました。花のモチーフに翡翠の玉がついた、かわいらしいデザインです。
原作小説では1巻第15話、小学館版コミックでは2巻第6話、スクウェア・エニックス版コミックでは2巻6話で描かれています。
壬氏からもらったのはアニメ第5話
壬氏からもらったのは、男物の銀の簪です。地味な作りに見えますが、よく見ると細かい彫り物が施されていて、高価なものだとわかります。それを見ていた翡翠宮の侍女たちに「いいなぁ」とうらやましがられた猫猫は、「あげてもいいけど…どうやって3人に分けようか」などと考えていました。簪をもらうことの意味を知らないとはいえ、猫猫は壬氏のことをまったく気にしていない様子でした。
このシーンも玉葉妃からもらうエピソードと同じく、原作小説では1巻第15話、小学館版コミック2巻第6話、スクウェア・エニックス版コミック2巻第6話に描かれています。
李白からもらったのはアニメ第6話
李白からもらったのは、園遊会の休憩中のタイミングです。李白はこのとき初めて、物語に登場しました。簪は小さな桃色珊瑚がついていて、簪自体も珊瑚のような形のものです。簡素な意匠ではありますが、作りはしっかりしていています。
このシーンは、原作小説1巻第18話、小学館版コミック2巻第7話、スクウェア・エニックス版コミック2巻第7話で描かれました。
梨花妃からもらったのはアニメ第6話
梨花妃から簪を貰ったのも園遊会の休憩中で、李白からもらった直後です。李白の簪を翡翠宮の侍女と見ているときに、梨花妃が「それだけではさみしいでしょう」と言って猫猫に近づいてきました。そして、三連になった玉水晶の飾りがついた簪を猫猫に差して立ち去ります。
このシーンも梨花妃のときと同じく、原作小説1巻第18話、小学館版コミック2巻第7話、スクウェア・エニックス版2巻第7話で描かれました。
「薬屋のひとりごと」作中で簪をあげる意味は?
園遊会で簪を渡すのは、自分のお気に入りであることをアピールしたり、求愛したりといった意味があります。ただし、猫猫は園遊会の時点では簪の意味をなにひとつわかっておらず、くれるものはもらっておこうくらいの軽い調子でした。
簪を贈る意味1 自分の侍女であるというマーキング的な意味
園遊会前に玉葉妃が自分の侍女たちに装飾品を渡したのは、自分の侍女であることを示すマーキングのような意味を持ちます。簪だけでなく、猫猫は首飾りを、ほかの侍女たちもそれぞれ髪飾りや耳飾りを着けてもらっていました。玉葉妃の「変な虫がつかないように、しるしをつけておかないとね」という言葉からも、アピールする意識でつけていることがわかります。後に猫猫が壬氏から簪をもらったことを知った玉葉妃は、「私だけの侍女じゃなくなったじゃない」と、少しすねた様子でした。
簪を贈る意味2 優秀な人材を勧誘するリクルート的な意味
園遊会は、文官や武官が普段あまり交流のない後宮の侍女たちと顔を合わせる貴重な機会です。そこで見つけた勧誘したい人材に、その証として簪を渡します。
第6話では、裏幕で休憩する侍女に文官や武官が簪を渡しているのを見て、猫猫の侍女仲間の桜花(いんふぁ)が「ああやって、花の園に隠れた優秀な人材を勧誘するのよ」と、猫猫に教えていました。その際、桜花は「違う意味もあるんだけどね」と意味深に言ってみせますが、猫猫はまったく興味を示しませんでした。このシーンは、原作小説では1巻第18話、小学館版コミックでは2巻第7話、スクウェア・エニックス版では2巻第7話にて描かれました。
簪を贈る意味3 私と後宮を出てほしいという求愛的な意味
後宮の侍女や女官は、ふだんは後宮から出ることができません。しかし、簪を渡された男性からの求愛を受けることで、外に出て結婚したり、男性が身元引受人となって外泊したりできる場合があります。
猫猫は李白に貰った簪を利用して里帰りしました。とはいえ、李白は求愛の意味で簪を贈ったのではなく、猫猫もそれをわかっていました。猫猫は緑青館の三姫を紹介することを交換条件に、李白に身元引受人になってもらったのですが、それを知らない壬氏は猫猫が李白の求愛を受けたと思って煩悶することになりました。
園遊会で簪の意味を教えていた桜花が「違う意味もある」と匂わせ、園遊会後に小蘭(しゃおらん)が猫猫に説明したのはこの意味です。原作小説や小学館版コミックでは小蘭が説明したということしか書かれていませんが、アニメ第7話やスクウェア・エニックス版の3巻第10話では、具体的に説明されています。
簪を贈る意味4 軽い気持ちで配る義理チョコ的な意味
李白が園遊会で初対面の猫猫に簪を渡した意味は、求愛というほどではなく、軽くナンパする程度の声掛けです。そのとき李白が帯に数本の簪を差していたことからも、たくさんの女性に簪を配っていたことがわかります。猫猫も李白から簪を受け取ったあと、ほかの侍女たちに「参加賞」と言っていました。後日呼び出された李白も「義理の簪を本気にされたか」とつぶやいていて、困った様子でどう断るか考えながら呼び出しに応じていました。
簪を贈る意味5 自分のお気に入りだというアピール的な意味
水晶宮の梨花妃が猫猫に簪を着けたのは、自分のお気に入りという意思表示です。梨花妃は第4話にて、おしろいの毒によって床に伏していたところを、猫猫に救われたことで感謝していました。梨花妃から猫猫が簪をもらったことで、水晶宮の侍女たちは驚きの表情を見せ、翡翠宮の侍女も「玉葉様、すねるどころじゃないかもね」と当惑しています。
壬氏が猫猫に簪を渡したのも、この意味です。壬氏は猫猫のことが気になっているようですが、渡した簪は壬氏が身につけていた男物でした。猫猫にあげるために用意していたものではないことから、突発的に自分が身につけたものを贈っただけで、求愛の意味ではないと思われます。
園遊会の前に壬氏が猫猫に会ったとき、いつも猫猫の顔にあるそばかすがなくなっていることに気が付きました。猫猫は、ふだんそばかすを描いている理由と後宮に来た経緯を壬氏に説明。壬氏は後宮の管理体制を謝罪し、その流れで猫猫に簪を贈りました。
前述のとおり、その行動は求愛の意味ではなかったはずですが、壬氏は後日、猫猫が李白の簪を里帰りに使ったことを知り、猫猫が李白の求愛を受け入れたと勘違いして落ち込んでいました。
「薬屋のひとりごと」のグッズに簪がある!?
原作小説の出版元であるイマジカインフォスの公式オンラインショップでは、完全受注生産品として「『薬屋のひとりごと』 壬氏のかんざし(特典:イラストカード付き)」が発売されたことがあります。真鍮 / 銀古美加工の、実際に髪に挿して使える簪で、価格は4950円(税込)でした。こちらの商品は、2023年10月15日に受注受付が終了していますが、再販の可能性もありますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
https://infosquare.shop/?pid=176837984
「薬屋のひとりごと」簪のまとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」では、春の園遊会で簪を贈るシーンが何度も描かれました。作中で、簪を渡すことには意味があります。猫猫は、当日は意味がわかっていなかったものの、後日、それを利用して念願の里帰りを果たしました。
簪が表すさまざまな人間模様や、李白の簪を使った猫猫に煩悶する壬氏、それがわかっていない猫猫の様子も見どころです。配信サービスを利用して、園遊会と猫猫が簪を贈られるシーンを、見返してはいかがでしょうか。
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
アニメ『薬屋のひとりごと』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 猫猫 | 猫猫の正義感が幼子を救う |
2 | 無愛想な薬師 | 媚薬の出来はバッチリ!? |
3 | 幽霊騒動 | 奇行の裏の真実に気づく猫猫 |
4 | 恫喝 | ガチギレ猫猫のマジビンタ! |
5 | 暗躍 | そばかすを落とした猫猫の顔 |
6 | 園遊会 | 「これ、毒です」猫猫が本領発揮 |
7 | 里帰り | 高順の前で素が出てしまう壬氏 |
8 | 麦稈 | 「一夜の対価」に壬氏、硬直 |
9 | 自殺か他殺か | 猫猫の死生観、壬氏の懊悩 |
10 | 蜂蜜 | 変態に追い詰められる猫猫 |
11 | 二つを一つに | 阿多妃の過去が明らかに |
12 | 宦官と妓女 | 猫猫、指先だけならお触りOK |
13 | 外廷勤務 | 官女とのドロドロバトル |
14 | 新しい淑妃 | 「女の園の秘術」を教授 |
15 | 膾 | 曲者な軍師・羅漢が来た! |
16 | 鉛 | 鍵の開かないタンスの謎 |
17 | 街歩き | 妓女の価値を下げる方法 |
18 | 羅漢 | 猫猫と羅漢の関係が明らかに |
19 | 偶然か必然か | 命を守るため、猫猫が走る |
20 | 曼荼羅華 | 壬氏が飲む薬の効果 |
21 | 身請け作戦 | 隙あらば嫉妬する壬氏 |
22 | 青い薔薇 | 羅漢の目に映る人々 |
23 | 鳳仙花と片喰 | 妓女・鳳仙と羅漢の悲恋 |
24 | 壬氏と猫猫 | 壬氏の頭突きを食らう猫猫 |
・無料でみられる「薬屋のひとりごと」エピソード・見逃し配信一覧