アニメ「薬屋のひとりごと(くすりやのひとりごと)」は、薬師の少女・猫猫(まおまお)が、毒と薬の知識をもって後宮で起こるさまざまな謎や事件を解明する謎解き後宮エンタテインメントです。
【動画】複数の伏線の結果に起こった危機から間一髪で壬氏を守った猫猫(17分ごろ~)
アニメは2023年10月から2024年3月まで、連続2クールにて放送され、その終了直後に2期の制作決定と2025年の放送予定が発表されました。
アニメ「薬屋のひとりごと」は、数多く張り巡らされた、緻密な伏線も話題となっています。この記事では、アニメ第1~24話で登場した伏線を回収済みと未回収に分けてまとめました。
目次
- アニメ「薬屋のひとりごと」とは
- 回収済の伏線一覧
- 未回収の伏線一覧
- アニメ「薬屋のひとりごと」伏線まとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」とは
アニメ「薬屋のひとりごと」の舞台は中華風のとある大国の宮廷。花街生まれの薬師・猫猫は、あるとき人さらいに遭い、後宮で下女として働くことになりました。面倒事を嫌う猫猫は、目立たぬように働きながら年季明けを待っていましたが、帝の御子の連続不審死事件の謎を解いたことで、後宮を取り仕切る宦官・壬氏(じんし)に目をつけられます。
帝の寵妃の毒見役に抜擢された猫猫は、壬氏からさまざまな厄介事も持ち込まれるようになり、深い知識と洞察力を持って後宮内外の謎や事件を解決していきます。
原作は日向夏氏により小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載中の作品に、加筆・修正を加えて書籍化した同名ライトノベル。小学館、スクウェア・エニックスの2社よりコミカライズもされ、シリーズ累計発行部数は3300万部を突破しています。
回収済の伏線一覧
まずは、アニメ第24話までで回収された伏線を紹介します。
猫猫が後宮に売られる
第1話で猫猫は、薬草を摘んでいたところを人さらいに遭い、後宮に売られます。そのため、猫猫の書類上の実家は、交易を行っている商家となっていました。
この伏線が回収されたのは第12話。猫猫が真相を突き止めたことで、徳妃・里樹妃(りーしゅひ)毒殺未遂犯人である風明(ふぉんみん)の実家と関わりがある下女は全員解雇されました。このとき、猫猫の実家あつかいとなっている商家も、風明の実家と関わりのあることが判明し、猫猫は後宮務めを解雇されました。
園遊会での妃毒殺未遂事件
第6話の園遊会にて、猫猫は貴妃である玉葉妃(ぎょくようひ)の食事の毒見をします。このとき猫猫はスープに毒が入っていることに気が付き、妃の毒殺は未遂に終わりました。後に玉葉妃と里樹妃の食事が入れ替わっていたことがわかり、実際に狙われたのは里樹妃だったことが判明します。
計画の全容がわかったのは第11話。犯人は淑妃・阿多妃(あーどぅおひ)の侍女・風明でした。風明は猫猫の提案により自首し、その後、処刑されます。風明は里樹妃が蜂蜜を食べられないことから、阿多妃の子の死因が「自身が与えた蜂蜜」と発覚するのを恐れ、口封じのために里樹妃の命を狙ったのです。
酒好きの高官の突然死
第9話では、壬氏が世話になった高官・浩然(こうねん)が突然死を遂げます。原因は酒の飲み過ぎといわれていましたが、猫猫の調べにより、味覚障害に陥っている浩然の酒に、誰かが多量の塩を入れたことが判明しました。
解決したと思われたこの事件は、第19話の壬氏暗殺未遂事件につながります。浩然は祭具の管理者で、突然死したことにより管理がずさんになり、祭具盗難、そして祭事での事件に発展しました。官女の翠苓(すいれい)が関わっていると思われますが、消息不明のため、詳細は不明です。
▶酒に強い高官、酒で突然死の謎 9話
▶猫猫が救ったのは祭祀を行っていた壬氏 19話
翠苓の白檀と独特の苦みを帯びた匂いの理由
第13話で猫猫が軍部の近くで翠苓に会ったとき、立ち去る翠苓から白檀と独特の苦みを帯びた匂いがしました。
第18話で猫猫は医局にて翠苓と再会。「薬草のにおいがしたのは軍部に勤めているからか」と、前に翠苓と会ったときのことを振り返っています。
▶翠苓と猫猫、2度目の遭遇 13話
▶薬草畑で雑草を抜く翠苓 18話
倉庫の小火と残された煙管
第14話では宮廷内の倉庫で小火(ぼや)が起き、倉庫番が煙管を吸ったことによる炎塵爆発が原因と猫猫が特定します。
第19話では、小火騒ぎに乗じて別の倉庫で祭具が盗まれていたことが発覚しました。小火騒ぎの原因となった煙管は、背の高い官女からもらったと倉庫番が証言しています。高官・浩然の突然死と同じく、この事件も壬氏暗殺未遂事件とつながっています。これも翠苓が関わっていると思われますが、詳細は不明です。
▶実験に巻き込まれて火がつく李白 14話
▶猫猫が救ったのは祭祀を行っていた壬氏 19話
海藻の鱠(なます)で食中毒
第15話では、ある官僚が食中毒でこん睡状態に陥る事件が起きます。兄を邪魔に思った弟による犯行で、解毒されていない海藻を買い付けて兄に渡していました。
倒れた官僚は、浩然が亡くなったあとに祭具の管理を引き継いでいました。管理者が2人続けていなくなったことで、祭具の管理はさらにずさんになり、盗難へとつながります。祭事での事件を起こした翠苓が関わっていると思われますが、やはり詳しいことはわかっていません。
羅漢が壬氏につっかかっていた理由
軍師の羅漢(らかん)は、難癖をつけては案件の判を押すのを差し伸ばしにしたり、超金細工師の遺言の謎解きを持ち込んだりと、やたら壬氏につっかかるような言動を見せていました。
その原因は、猫猫の存在にありました。第18話で羅漢は、猫猫の実の父親であることが判明します。羅漢は長年やり手婆に猫猫の身請けを交渉し、もう少しでかないそうだと思っていたところ、横から壬氏が現れ猫猫を出仕させたことを妬んでいたのです。
彫金細工師の遺言の謎
第16話では、彫金細工師から3人の息子に謎の遺言が託されます。猫猫は遺言の謎を解き、彫金細工師が低い温度で溶ける金属を開発していたことを知りました。
この事件がつながるのも第19話。低い温度で溶ける金属は、盗まれた祭具の代わりを作るために使われます。祭事が始まると蝋燭の火で金属が溶け、壬氏暗殺未遂事件を引き起こしました。これにも翠苓が関わっていると思われますが、詳しくは不明のままです。
▶三兄弟の行く末を予見していた?羅漢 16話
▶猫猫が救ったのは祭祀を行っていた壬氏 19話
羅門はなぜ猫猫の養父になったのか
第17話で猫猫は、養父の羅門(るぉめん)について、若い頃は西方に留学したほど優秀な一方で、運がなく宦官にされてしまったと語ります。
そんな羅門が猫猫を引き取った理由を推し量れるのが、第23話です。羅門が羅漢の叔父として描かれ、猫猫と羅門には血縁上のつながりもあることが発覚します。詳しい経緯は描かれていませんが、羅門が猫猫を引き取ったのも、猫猫が甥・羅漢の娘であることが関係していると思われます。
▶羅門の事を得意気に壬氏に話す猫猫 17話
▶羅門は羅漢の叔父だった 23話
幼い猫猫を襲ったのは誰か
第18話で猫猫は、赤ん坊の自分に女性から刃物を向けられる夢を見ていました。その後、猫猫は自分の手を見ていて、小指が少し歪んでいることから、ただの夢ではなく本当にあった過去の描写であることがわかります。
猫猫に刃物を向けた人物は、実の母親である鳳仙(ふぉんしぇん)です。第24話では、連絡がつかなくなった羅漢に、当時流行っていた“ゆびきり”の呪いとして、自分と猫猫の指を切って送られていた過去が描かれています。
▶猫猫がみた夢は本当にあった事だった 18話
▶鳳仙から羅漢に送られた指、2本 24話
緑青館の奥にいる妓女は誰か
第18話にて猫猫は、緑青館の離れにいる病気の元・妓女に薬を届けています。緑青館は十数年前に経営難となったことがあり、この妓女は数年に渡り客をとって梅毒に感染し、現在は取り返しのつかないほどに病状が進行していました。
第24話で、妓女は猫猫の母親である鳳仙と発覚します。猫猫はこの妓女が自分の母親と聞かされたわけではありませんが、周囲の会話などから察しているようです。
▶歌いながら碁石を並べる鳳仙 18話
▶身の上について壬氏に話す猫猫 24話
未回収の伏線一覧
アニメ「薬屋のひとりごと」では、まだ回収されていない伏線もたくさんあります。
皇帝の御子の連続死
第1話で猫猫が小蘭から聞いた「後宮で生まれる世継ぎの連続死」という噂話。皇帝の御子が3人とも、生まれて間もない乳幼児の時に亡くなっているというのです。
その後間もなくして、梨花妃(りふぁひ)の産んだ東宮(とうぐう、皇太子)は亡くなります。猫猫はその原因をつきとめ、第1話で玉葉妃と玉葉妃の産んだ鈴麗公主(りんりーひめ)、第4話で梨花妃の命を救います。
しかし、この時の死因・体調不良の原因は毒おしろいである解明されましたが、それが誰によってどこから持ち込まれたかなどについては不明のまま。また、それ以前に起こったであろう「後宮で生まれる世継ぎの連続死」についても明らかになっていません。
園遊会で空席だった皇帝の弟の謎
皇帝の弟は、これまで作中で姿が描かれておらず、謎の多い存在です。
第6話の園遊会で、玉葉妃の侍女のひとり貴園(ぐいえん)は、皇弟について「とても病弱でほとんど自宅から出られないってウワサ」と語っています。「先ほどまでいらっしゃったみたいだけど……」とも言っていましたが、猫猫たちが園遊会の会場をのぞいたとき、皇弟の席は空席でした。また、第22話の春の園遊会でも皇弟の席と思われる場所は空席でした。
壬氏の頭の簪は誰から?
第5話の園遊会で壬氏は猫猫に自分の簪を渡します。しかし、その後の第6話で壬氏の髪には別の簪が刺さっていました。このことから、壬氏も園遊会で誰かに簪をもらったと思われますが、その相手は不明です。簪を渡す相手は壬氏より上の立場の者と考えられるので、相手の予想としては、皇帝や上級妃の阿多妃などが考えられます。
阿多妃の子は皇弟と取り換えられた?
阿多妃は、過去に当時東宮だった現帝の子を出産しています。しかし、難産の末に子宮を失い、産まれた子も赤子のうちに死亡しました。
第11話にて、阿多妃は過去のことを「息子がいなくなってから」と口にしています。後に猫猫はその言い回しに違和感を持ち、阿多妃の子と同時に生まれた当時の皇后の子が入れ替わっている可能性に思い至りました。入れ替わりが真実であれば、阿多妃の子は現在も皇弟として生きていることになります。
また、阿多妃と壬氏が似ていることから、猫猫の頭の中では阿多妃の子が壬氏になるイメージができていました。しかし、猫猫はすぐに「バカバカしいくらいの妄想だ」と自分の考えを否定。その後も、真実は明らかになっていません。
何を考えているかわからない楼蘭妃
阿多妃と入れ替わりで後宮に入った楼蘭妃(ろうらんひ)は、ほとんど発言せず、第14話で猫猫に「何を考えているかよくわからない妃」と語られています。
第20話では、髪型や服装がころころ変わって、主上に「訪れるたびに妃が誰かわからなくなる」と思われているように、謎が多い存在です。この話では、壬氏と会話するシーンもありましたが、EDのクレジットに楼蘭妃のキャストは記載されていませんでした。
第22話の春の園遊会には、父親である子昌(ししょう)と共に出席し、皇太后と言葉を交わしています。
▶荒れた妃教育でも動じない楼蘭妃 14話
▶壬氏と面会する楼蘭妃? 20話
▶園遊会で楼蘭妃と対面する皇太后 22話
壬氏はなぜ野営のことを知っていたのか
第17話で変装して街に出た壬氏は、猫猫と一緒に焼き鳥を食べ、「野営のときよりうまいな」と発言。猫猫は「宦官は普通武官のような仕事はしないと思っていたが」と疑問に思っています。
壬氏は妙に体が引き締まっていたり、手に剣術か棒術をやっているようなタコがあったりと、宦官には必要ないはずの武術を身に着けている描写があります。実際に第5話では、木刀を振って鍛錬するシーンも描かれました。しかし、その理由はいまのところ明らかにされていません。
▶馬閃、壬氏様と本気げいこ 5話
▶変装した壬氏と猫猫が街歩きデート 17話
医官が翠苓に「本来なら官女なんてやらなくていいのに」と言った理由
第18話で翠苓と親しげに話していた医官が、翠苓の去り際に「本来なら官女なんてやらなくていいのに」と語っていました。第20話では、この医官の師が翠苓の後見人だったことが判明しますが、翠苓が逃亡したため、医官の発言の理由は不明です。
祭祀で壬氏は何をしていたのか
第19話では、壬氏は祭場の中央にいて、祭祀を取り仕切っていたような描写があります。宮廷の祭祀を取り仕切る人物は、相当に高貴な生まれと考えられ、後宮の宦官になる立場ではないはずです。しかし、猫猫は壬氏の正体を少し気にしてはいるものの「知った所で面倒なだけだ」とスルーしています。
翠苓の生死や行方は
第20話では、壬氏暗殺未遂事件に翠苓が関わっていることがわかります。翠苓は死体で発見されますが、実は蘇りの薬を使って仮死状態をつくり、死を装っていたようです。翠苓は死体置き場で息を吹き返し、男装して共犯者に混じり逃亡したと猫猫は推測しています。しかし、実際の翠苓の生死や行方はわかっていません。
蘇りの薬は本当に存在するのか
第18話で、猫猫が薬草畑で会った翠苓に「何を植えているのですか」と聞くと、翠苓は「蘇りの薬」と答えます。猫猫が食いつくと、翠苓は冗談だと言ってかわし「もう少し先の話だけどここに朝顔を植えるわ」と言いました。
第20話で翠苓は蘇りの薬を使い、仮死状態となって死を装い、後宮から逃亡したようです。猫猫は蘇りの薬の材料を、白い朝顔に似ている曼荼羅華と推測。翠苓と会った小高い丘に、曼荼羅華が植えられていたのではと語っていますが、それが本当に使われたのか、薬自体が存在するのかは、翠苓本人が生死不明のため謎のままです。
▶「蘇りの薬」を植えると言った翠苓 18話
▶翠苓が「蘇りの薬」を使った方法は 20話
壬氏はなぜ薬を飲みながら宦官をしているのか
第20話にて、壬氏は身体的に宦官ではなく、男性機能を抑制する薬を飲んでいると発覚しました。第13話では、皇帝と酒を飲んでいる壬氏がモノローグで「後宮管理だってなんだってやってやる。それが自分の道を選ぶ唯一の方法だ」と語り、なんらかの希望を通すために皇帝の命のもと宦官・壬氏を演じていると思われます。しかし、なぜ薬を飲んでまで宦官として務めているのかは、わかっていません。
▶離れで皇帝と壬氏がサシ飲み 13話
▶見た目の割にがっしりしている壬氏 14話
▶壬氏の正体をほのめかす天才軍師・羅漢 18話
▶“男でなくす薬”を飲んでいた壬氏 20話
アニメ「薬屋のひとりごと」伏線まとめ
「薬屋のひとりごと」は、さまざまな伏線が描かれています。園遊会の妃毒殺未遂事件や祭事での壬氏暗殺未遂事件など、複数の要素が大きな事件につながっているものもあり、多くの視聴者の注目を集めました。
未回収の伏線も、まだたくさん残っています。2025年放送が発表された2期にて、どれが回収されるのか、期待して待ちましょう。
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
アニメ『薬屋のひとりごと』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
---|---|---|
1 | 猫猫 | 猫猫の正義感が幼子を救う |
2 | 無愛想な薬師 | 媚薬の出来はバッチリ!? |
3 | 幽霊騒動 | 奇行の裏の真実に気づく猫猫 |
4 | 恫喝 | ガチギレ猫猫のマジビンタ! |
5 | 暗躍 | そばかすを落とした猫猫の顔 |
6 | 園遊会 | 「これ、毒です」猫猫が本領発揮 |
7 | 里帰り | 高順の前で素が出てしまう壬氏 |
8 | 麦稈 | 「一夜の対価」に壬氏、硬直 |
9 | 自殺か他殺か | 猫猫の死生観、壬氏の懊悩 |
10 | 蜂蜜 | 変態に追い詰められる猫猫 |
11 | 二つを一つに | 阿多妃の過去が明らかに |
12 | 宦官と妓女 | 猫猫、指先だけならお触りOK |
13 | 外廷勤務 | 官女とのドロドロバトル |
14 | 新しい淑妃 | 「女の園の秘術」を教授 |
15 | 膾 | 曲者な軍師・羅漢が来た! |
16 | 鉛 | 鍵の開かないタンスの謎 |
17 | 街歩き | 妓女の価値を下げる方法 |
18 | 羅漢 | 猫猫と羅漢の関係が明らかに |
19 | 偶然か必然か | 命を守るため、猫猫が走る |
20 | 曼荼羅華 | 壬氏が飲む薬の効果 |
21 | 身請け作戦 | 隙あらば嫉妬する壬氏 |
22 | 青い薔薇 | 羅漢の目に映る人々 |
23 | 鳳仙花と片喰 | 妓女・鳳仙と羅漢の悲恋 |
24 | 壬氏と猫猫 | 壬氏の頭突きを食らう猫猫 |
・無料でみられる「薬屋のひとりごと」エピソード・見逃し配信一覧