2023年10月から連続2クールで放送されているアニメ「薬屋のひとりごと(くすりやのひとりごと)」は、大国の後宮を舞台に花街出身の薬屋の少女が次々に事件を解決していく物語です。
【動画】蜂蜜をつけた指を猫猫に舐めさせようと迫る壬氏(14分10秒ごろ~)
原作は日向夏氏が小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載中の同名小説を、加筆・修正して出版したライトノベル。小学館とスクウェア・エニックスの2社からそれぞれ漫画化もされて、2024年3月の時点でのシリーズ累計発行部数は3300万部を突破しています。さらに、厚生労働省による電子処方箋普及のためのコラボも話題となりました。
この記事では、数々の事件で、キーアイテムの1つとなる「蜂蜜(はちみつ)」をピックアップ。物語のどこに登場し、どんな思惑で使われていたのかを解説していきます。
目次
- アニメ「薬屋のひとりごと」とは
- 蜂蜜のエピソードが描かれたのは何話?あらすじは?
- 園遊会で里樹妃が毒を盛られたのはなぜ?蜂蜜との関連は?
- 蜂蜜騒動から猫猫がたどり着いた推察は、16年前の真相なのか!?
- 壬氏が猫猫に指につけた蜂蜜を舐めさせようとしたのは、原作小説や漫画の何巻何話?
- アニメ「薬屋のひとりごと」蜂蜜のまとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」とは
「薬屋のひとりごと」は、薬屋の少女・猫猫(まおまお)が後宮の事件を解決していく謎解きエンタテインメントです。
物語は、猫猫が人さらいにあい、後宮の下女として働きだすところから始まります。女たちの噂と陰謀が渦巻く華やかな後宮にあっても、薬と毒にしか興味のない猫猫は、目立たないように日々を過ごし、年季明けを待っていました。しかし、次々に帝の御子たちが病になることを知り、その原因を匿名で知らせたことで、後宮を管理する美形の宦官・壬氏(じんし)の目に止まります。
壬氏は猫猫を帝の寵姫の毒見係に抜擢し、さらに猫猫へ次から次へと事件や面倒事を押し付けます。猫猫はそれをうとましく思いながらも、持ち前の好奇心と洞察力、さらに薬の知識を使って、それらを解決していきます。
蜂蜜のエピソードが描かれたのは何話?あらすじは?
アニメ「薬屋のひとりごと」にて、蜂蜜にまつわるエピソードが描かれたのは、第10話から第11話にかけてです。
第10話では、玉葉妃(ぎょくようひ)が里樹妃(りーしゅひ)を招いてお茶会を催し、そこで蜂蜜を使ったお茶を出しました。その後、猫猫は園遊会で起きた里樹妃の毒殺騒ぎに関わっていた侍女の自殺を受け、壬氏の命で柘榴宮を探ることになります。
第11話では、柘榴宮で過去に起きた皇子の死亡事故と蜂蜜との関わり、さらに里樹妃の毒殺未遂の黒幕までを猫猫が明らかにしました。蜂蜜が苦手と言う里樹妃が、阿多妃(あーどぅおひ)やその侍女たちと関わりを持ったことと、過去の事件が複雑に絡まり、悲しい結末を迎えます。
その一方で、第10話にて壬氏が指で蜂蜜をすくい、猫猫に迫るシーンも話題となりました。
後宮で過去に起きた事件と蜂蜜との関わりとは
17年前、いまの帝が即位前で東宮(とうぐう、皇太子)だったころ、当時は東宮妃だった阿多妃は男児を産みました。同時期に先帝と皇太后(当時は皇后)の間にも、男児が産まれます。阿多妃は難産でしたが、皇太后の出産が優先された結果、阿多妃は子宮を失い、子どもを産めない体になってしまいます。
阿多妃が難産の末に産んだ皇子を、侍女頭の風明(ふぉんみん)は大切に育てていました。しかし、風明は蜂蜜が赤子にとって毒になると知らずに、実家の養蜂場から送られてきた蜂蜜を与えて死なせてしまいます。風明は敬愛する阿多妃の赤子を死なせたことにショックを受けますが、このときには原因が蜂蜜だとは気づきませんでした。
園遊会で里樹妃が毒を盛られたのはなぜ?蜂蜜との関連は?
里樹妃は赤子のころに蜂蜜を口にして命が危うい状態になったことがあり、そのせいで、いまでも蜂蜜が食べられません。当時先帝の妃だった里樹妃は、そのことを阿多妃の侍女頭である風明に言ったことがありました。風明はそのときに、赤子にとって蜂蜜が毒であり、過去に阿多妃の子を死なせた原因が自分であることに気づきました。
その真実を阿多妃に知られたくない風明は、里樹妃を阿多妃から遠ざけます。先帝が亡くなると、里樹妃は出家して後宮を去ったこともあり、風明は安心していました。
しかし、里樹妃は即位した現帝の妃として入内し、再び後宮に現れます。風明は、里樹妃が蜂蜜の体験を阿多妃に話すことで、皇子の本当の死因が明らかになるのではないかとあせりました。そこで、風明は里樹妃の暗殺を計画し、園遊会で毒を盛りますが失敗に終わります。そして、阿多妃に嫌疑がかからないように、下女にそれらしい遺書を遺させ、堀に身を投げさせたのでした。
里樹妃に毒を盛った黒幕は風明!猫猫が事件を収めた方法とは
猫猫は、すべての黒幕が風明だと見抜き、柘榴宮に出向いて風明と話をします。里樹妃に毒を盛ったことも、16年前に皇子の死の原因を作ったのも、明らかになれば死罪は免れません。最終的に風明は、里樹妃の暗殺を企てたと自首し、処分を受けました。
このとき、風明は猫猫の助言により、阿多妃の四夫人の座を守りたいという動機だけを公的に明かしています。猫猫は、前述の動機だけを明かすことで、16年前に起きた皇子の死の原因は隠し、阿多妃に真実を知られないようにすることを風明に提案していたのです。
蜂蜜騒動から猫猫がたどり着いた推察は、16年前の真相なのか!?
第11話にて、阿多妃が後宮を去る朝、壬氏に淑妃の証しである冠を返す阿多妃を見て、猫猫は二人の姿が似ていることに気づきました。凛々しい阿多妃と美しい壬氏の姿に「服装を入れ替えたほうがよっぽど…」と考えていた猫猫は、その「入れ替え」という言葉から「阿多妃が自分の赤子と皇太后の赤子を入れ替えたのでは?」と思いつきます。
前夜、酒を飲みながら猫猫と話をした阿多妃は「息子がこの手からいなくなってからずっと」という言葉を使い、「息子が死んでから」とは言っていませんでした。もし猫猫の推察が正しければ、現在の皇弟は、じつは阿多妃と現帝の子ということになり、東宮になるべき存在です。現状、病弱という皇弟の立場が微妙であることや、潔い性格の阿多妃がこれほど長く後宮にとどまり続けたことなど、赤子が入れ替わっていれば辻褄も合います。
とはいえ、これを思いついた猫猫も「バカバカしいくらいの妄想だ」と自分でその推察を否定していました。この段階では、猫猫は壬氏を宦官だと思っていることもあり、壬氏と阿多妃に血縁があることを疑ったわけではありません。
壬氏が猫猫に指につけた蜂蜜を舐めさせようとしたのは、原作小説や漫画の何巻何話?
壬氏が猫猫に蜂蜜を舐めさせようと迫ったのは、アニメ第10話、原作小説1巻第27話、漫画では小学館版3巻第10話、スクウェア・エニックス版4巻第16話です。
自殺した柘榴宮の下女が里樹妃の毒殺騒ぎに関わっていたことから、猫猫は壬氏によって柘榴宮に送り込まれます。その段階では、事件の真相まではわからなかったものの、侍女頭の風明が怪しいと報告した猫猫に、壬氏は「及第点だな」と言いつつ、自分の指に蜂蜜をまとわせて猫猫に舐めさせようと迫りました。
甘いものが好きでないうえに、指を舐めさせようとする壬氏の異様な行動に焦った猫猫は、なんとか断ろうと後退りします。その場にいた高順(がおしゅん)に助けを求めたものの、高順は素知らぬ顔。蜂蜜をまとった手が迫ってくる状況に、猫猫はあせりながらもなんとか逃れようと頭を働かせていたところ、死んだ下女と風明、蜂蜜、里樹妃の関係に思い当たります。そこに玉葉妃が現れ「うちの侍女に何をしているの?」と助けに入ってくれたことで、猫猫は間一髪、壬氏の魔の手(?)から逃れることができました。
壬氏が猫猫に好意を見せるシーンはほかにもある
蜂蜜を手に猫猫へ迫るシーンは、壬氏が猫猫に特別な思いを抱いていることを感じさせるとSNSでも話題になりました。さらに、壬氏が猫猫への好意を見せるシーンは、ほかにもあります。
アニメ第5話で描かれた園遊会の前のシーンでは、壬氏が猫猫だけに自分が差していた簪を渡し、周りの侍女がうらやましがっていました。アニメ第8話では、猫猫が自分の簪ではなく李白(りはく)の簪を使って後宮を出たことにショックを受け、さらに李白との仲を疑って猫猫を問い詰めるシーンもあります。
アニメ第11話では、後宮を出る前夜の阿多妃と酒を飲んだ壬氏が、酔って猫猫に甘える姿も描かれています。第1クールの最終話となった第12話では、猫猫が後宮を去ったことで落ち込み、再び宮廷へ戻すために大金を用意するなど、明らかに猫猫への好意を見せるようになっています。第17話で2人とも変装して街歩きをするときも、壬氏はうれしそうにしていました。
アニメ「薬屋のひとりごと」蜂蜜のまとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」において、「蜂蜜」は里樹妃が苦手なもののひとつとして最初に登場します。その後、じつは16年前の皇子の死に蜂蜜が関係していたこがわかり、さらにそれが園遊会の毒殺未遂事件を引き起こしていたことが明かされました。猫猫は一連の事件の謎を解く活躍を見せ、その合間に壬氏から蜂蜜を付けた手を舐めさせられそうになっています。
このように、蜂蜜はストーリーで重要な役割を果たしたことはもちろん、猫猫と壬氏の関係をうかがわせるキーアイテムにもなっています。いま一度、アニメ「薬屋のひとりごと」で蜂蜜が出てきたシーンや、SNSで話題になった場面などを配信やBlu-ray・DVDで見直してみてはいかがでしょうか。
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
アニメ『薬屋のひとりごと』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 猫猫 | 猫猫の正義感が幼子を救う |
2 | 無愛想な薬師 | 媚薬の出来はバッチリ!? |
3 | 幽霊騒動 | 奇行の裏の真実に気づく猫猫 |
4 | 恫喝 | ガチギレ猫猫のマジビンタ! |
5 | 暗躍 | そばかすを落とした猫猫の顔 |
6 | 園遊会 | 「これ、毒です」猫猫が本領発揮 |
7 | 里帰り | 高順の前で素が出てしまう壬氏 |
8 | 麦稈 | 「一夜の対価」に壬氏、硬直 |
9 | 自殺か他殺か | 猫猫の死生観、壬氏の懊悩 |
10 | 蜂蜜 | 変態に追い詰められる猫猫 |
11 | 二つを一つに | 阿多妃の過去が明らかに |
12 | 宦官と妓女 | 猫猫、指先だけならお触りOK |
13 | 外廷勤務 | 官女とのドロドロバトル |
14 | 新しい淑妃 | 「女の園の秘術」を教授 |
15 | 膾 | 曲者な軍師・羅漢が来た! |
16 | 鉛 | 鍵の開かないタンスの謎 |
17 | 街歩き | 妓女の価値を下げる方法 |
18 | 羅漢 | 猫猫と羅漢の関係が明らかに |
19 | 偶然か必然か | 命を守るため、猫猫が走る |
20 | 曼荼羅華 | 壬氏が飲む薬の効果 |
21 | 身請け作戦 | 隙あらば嫉妬する壬氏 |
22 | 青い薔薇 | 羅漢の目に映る人々 |
23 | 鳳仙花と片喰 | 妓女・鳳仙と羅漢の悲恋 |
24 | 壬氏と猫猫 | 壬氏の頭突きを食らう猫猫 |
・無料でみられる「薬屋のひとりごと」エピソード・見逃し配信一覧