よし、詰まらせた!はずがフェンスオーバーに…。今季からドジャースに移籍した大谷翔平投手が、早くも相手バッテリーを絶望させている。昨季44本塁打で初の本塁打王に輝き、今季は右肘手術明けながらオープン戦で打率.500に2本塁打と、開幕前から打ちまくっている。もはやシーズンに入ってからの活躍を疑う者がほとんどいない、というほどの絶好調だが、2本塁打はいずれも内寄りのボールを流し打ってのもの。これが相手バッテリーからすれば、実に厄介極まりない。
日本でプレーしていた時から、大谷の好調時のバロメーターと言われていたのが左中間への大きな本塁打。昨季、メジャー最長の150メートル弾はライトへと運んだが、引っ張り方向の打球は他の打者でもツボに入れば飛んでいく。大谷の場合は無理に引っ張り込むことなく、左中間でもぐんぐん伸びる打球を打てるからこそ、隙のない打者と言われている。
ドジャース移籍後の実戦初本塁打、さらに2本目とどちらもレフトへ舞い上がった打球がなかなか落ちず、むしろ伸びていってフェンスの向こうで弾んだ。投手が投げ込んだコースはどちらも内角寄り。これがレフト方向に飛ぶ場合は、おおよそ振り遅れて詰まり気味になっているはずだ。実際、どちらも飛び出した瞬間はレフトフライに見えた人も多いことだろう。
ところが実際には「詰まる」とは違うようで、本人もそこまで感触が悪かったというコメントは残していない。要はぎりぎりまで引き付けて、体に近いところでバットで捉え弾き返した結果、打球方向がレフトなだけ。内側から絞るように打たなければ実現できない芸当だ。
他のメジャーリーガーも同じく、大谷のような大きな選手は手も長いため、ほどよく伸びる外寄り、さらには低めを得意とする選手も多い。昨季からバットを長くした大谷であれば、なおさら体から離れたところではなく、内側を突きたくもなるだろう。うまくすればバットを折ろうかという勢いで投げ込んだ速球を弾き返されるダメージは、甘い球を場外まで運ばれるよりも数倍大きい。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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