いきなり投手単独としてはメジャー最高金額での大型契約を結んでドジャース入りした山本由伸。デビュー戦のパドレス戦では1回5失点でKOされ不安を残したが、本拠地ドジャースタジアムで行われた2戦目では5回2安打無失点5奪三振と好投し、面目躍如といったところだ。もともと160キロ近いストレートと、同じ軌道から落とすスプリットを主体に組み立てる投手だったが、メジャーでの2戦で目立っているのが、大きく縦に割れるカーブ。早くも山本のメジャーでの代名詞にもなりつつある。
過去にサイ・ヤング賞も獲得した同僚カーショウからも「ヤバい」と称された山本のカーブ。オリックス在籍時の2023年には投球全体の15.6%ほどだったが、メジャー2試合では25.2%と、ストレートに次いで2番目(スプリットと同じ)に投げている。バッテリーを組むスミスも、少し制球が定まっていないスプリットよりも、打者のタイミングを外し、かつしっかりストライクも取れるカーブの選択が増えているのかもしれない。
カーブも投げる投手によっていろいろと曲がり幅や角度、スピードなど個性が出るところだが、山本のカーブはしっかりと大きく縦に割れる。山本が投げたカーブは43.4センチも縦方向に変化。これは昨シーズン、カーブを200球以上投げた120選手と比較して、5位に入るほど大きな曲がりだった。1位はカージナルスのトンプソンで47.7センチだが、シーズンを過ごしていき、山本の体にもキレが増してくれば、さらに曲がりも鋭くなるはず。昨季はメッツ・千賀滉大投手が落差抜群の「おばけフォーク」で席巻したが、今季は山本のカーブがメジャーを驚かせる。
(データ協力:データスタジアム)
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