うつ病や適応障害、双極性障害などの“心の病”。さまざまな種類があり、その数は年々増え続けている。しかし、一般的には相談することすらできなく、生きづらさを感じている人が多くいる。『ABEMA Prime』では当事者と専門家と共に、“心の病”について考えた。
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■適応障害と診断された、つむぎさん
つむぎさん(37)は看護師として働いた1年目のとき、夜勤・残業などの過労、理想と現実の違いによるショックで、眠れない・食欲がない・頭痛などの症状に。異変に気付いた看護師長から勧められ、心療内科を受診。そして、適応障害と診断された。親しい上司や家族にしか言えなかったという。
つむぎさんは、当時について「先に体の症状が出てきて、頭痛や吐き気、お腹が痛いことが日常的にあってから、どんどん眠れなくなったり、食事が取れないという状況が続いた」と振り返る。
周囲に話しづらかったのは「大事にしている相手との関係性や距離感が変わってしまうのではないかという怖さがあった。また、今後社会復帰するにあたっても、社会的な評価が下がり、それが足枷になってスムーズにいかないのではないかという不安もあった」と明かす。
診断される前と後で、変わったことはあるか。つむぎさんは「今は時間も経ったので自分の不調が現れた時に、周りの人に相談をしやすくなった。実際に仕事を休んで復帰をしてからは、今までの自分と違って、集中力の持続が落ちたなとか、能力的なところではネガティブな変化も感じている」と答えた。
■病院を受診する基準は「5分間瞑想ができるかどうか」
多くの人が相談・受診しないのは「気の持ちようで治る、時間が経てば戻る」、「自分はならない、受診するほどではない」、「精神科は怖い所、薬を飲んだら戻れない」、「仕事や生活に影響する、家族に心配をかける」などの理由が挙げられる。
精神科医で「早稲田メンタルクリニック」院長の益田裕介氏は「患者さんの数がどんどん増えている。核家族の時代で、離婚も増えて普通になってきた中で、相談する人がそもそもいない。精神科とかじゃないと気軽に相談できない」と説明。
患者が増えていることについては「傷ついている人が元々多かったと思う。最近だと子どものうつが認められつつある。児童精神(科)は少ないが、子ども時代にうつを経験したことがある人は1割くらいいる。そういう人たちが通院につながれていないのも事実だ」と話す。
益田氏は、対処が遅れてしまうと「間違いなく悪化する」といい、病院を受診する基準については「5分間瞑想ができるかどうか。目を閉じて深呼吸をする。深呼吸をしていると心臓も引っ張られてゆっくりになっていく。そうすると脳も引っ張られてリラックスできる。うつの人や調子が悪い人は5分できない」との見方を示す。
また、精神的な不調が出た場合、「すぐ言えたほうがいい。自分の感情に気づけない人はずっと溜め込んで頭痛や、肩こり、便秘、下痢になる。人間は群れの動物なので、辛いと言うだけで楽になる。逆に辛いと言われた人は良いことを聞いたとなる。危険を知ったということなので。だから本当は、辛いと聞けることは良いことだ。だけど、それができないことが悪循環を生んで病気を悪化させたりする」とした。(『ABEMA Prime』より)
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