【MLB】ジャイアンツ4-1ドジャース(5月15日・日本時間16日/サンフランシスコ)
大谷翔平のすごさは、“気持ちの切り替えの早さ”にあると言われる。この日も、不可解判定で見逃し三振となった打席で納得いかない様子で首を振りながらベンチに戻るシーンがあったが、その直後の打席で痛烈なセンター前ヒットを放っている。三振に歩きながら首を振る大谷は、ただ判定に対する怒りを表しているのではなく、まさにこのときに感情をリセットしているのかもしれない。
この試合も「2番・DH」でスタメン出場した大谷は第2打席、ジャイアンツ先発右腕ウェブに追い込まれるも、4球目の低めのスイーパーは自信をもって見送った。映像でみてもストライクゾーンの下を通っているように見えるボールだったが、球審の判定はストライク。大谷にとっては不満の残る見逃し三振となっていた。
球審に抗議こそしなかったが、しきりに首を振り納得がいかない様子の大谷。ベンチに戻りながらも口を真一文字に結んで首を振る姿は、静かな怒りとも諦めとも取れる表情だった。
すると5回、2死走者なしの場面で迎えた第3打席で大谷は、ウェブの2球目を積極的に打ちに行くと、速度103.1マイル(約165.9キロ)の高速ゴロがセンターに抜けていく。この試合で解説を務めた元メジャーリーガーの西岡剛氏が「どう切り替えて打席に立つかが見どころ」と語った打席で、見事に3試合連続となるヒットを放った。
2打席目を引きずることなく結果を出した大谷はさすがの一言。首を振りながらベンチに戻っていく際の表情は、ただ不満を露わにしていたのではなく、気持ちを整理して切り替えていた表情だったのだろう。第4打席でも第2打席と同様、大谷にとって厳しい判定で再び見逃し三振を喫したが、続く第5打席でレフト前にヒットを放っている。大谷が3試合連続となる20度目のマルチヒットをマークした試合は、彼の切り替え能力がいかんなく発揮された試合でもあった。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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