将棋の藤井聡太王位（竜王、名人、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21）への挑戦者を決める伊藤園お～いお茶杯第65期王位戦挑戦者決定戦が5月30日に行われ、渡辺明九段（40）が斎藤慎太郎八段（31）に113手で勝利し、王位初挑戦を決めた。
渡辺九段が、若き“絶対王者”へのリベンジの舞台に上がる。今期の王位戦は王位リーグからの参戦で、4勝1敗の成績で白組を制覇。第48、53期に続く3度目の挑戦者決定戦に臨んだ。本局では、紅組覇者の斎藤八段と激突。相掛かりの出だしから、じりじりとした戦いへと発展した。渡辺九段の歩得対斎藤八段の手得の展開から、渡辺九段が意表の飛車切りで決戦へ。陣形の差を活かし、渡辺九段が猛攻を仕掛けていった。受けに回った斎藤八段だが、渡辺九段は後手陣を冷静に制圧。リードを奪った後は圧巻の指し回しで勝利をもぎとってみせた。
渡辺九段は、全8棋戦のうち6棋戦でタイトルを獲得しているものの、王位挑戦は初。“真夏の七番勝負”を制し、是が非でも王位を奪取したい。終局後、渡辺九段は「王位戦は1回も出ていない棋戦で心残りはあったので、出場することができてすごくい嬉しいです」とコメントした。
対するは6度目のタイトル戦激突となる藤井王位だ。これまでの5シリーズのすべてを藤井王位が制しており、公式戦の通算成績は4勝20敗となっている。それでも、昨年の名人戦敗退から約1年で再びタイトル戦の舞台に舞い戻る姿はファンにとっては待望の瞬間だ。「タイトル戦では何度もやってきていますが、今まで結果が出せていないので、今までの借りを返せるようにやりたいなと思います」と語った渡辺九段が、どのような激戦を見せてくれるのか、心躍る夏となることは間違いない。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
