都内にあるスーパーのエスカレーターで80代の女性が首を挟まれ死亡した。女性は手押し車を利用してエスカレーターに乗り、何らかの理由で転倒したとみられている。
事故発生からおよそ20分後の映像には駆けつけた救急隊が救助を続ける様子が映っている。
「多分ここに女性が倒れられて、救命士の方はブルーシートの中にもたくさんいて、途中から重機のような音が聞こえた」(目撃者)
現場には被害者と一緒に店に来ていたとみられる人の姿も。
「そばに高齢の男性がいらっしゃって、当時の状況を聞かれていたようで『一緒にエスカレーターをおりていた』『挟まれてしまった』というような言葉が聞こえた」(目撃者)
東京・西東京市で3月にオープンしたばかりのスーパー オーケー。フロアガイドを見ると、1階から上は全て駐車場で、地下1階のみが売り場となっている。事故は地下に向かう下りのエスカレーターで起きた。
警視庁などによると、80代の女性が自身の手押し車とともに乗っていたところ、到着時に何らかの理由で転倒。
手すりと床の間に首が挟まったとみられている。女性は間もなく死亡した。
「東伏見のオーケーは私たちがいつも行くところ。やっぱり同じ年代の女性が巻き込まれたとなると、他人事とは思えない」(80代のスーパー利用者)
しかし、なぜ女性は手押し車でエスカレーターに乗ったのか。
実はこのスーパーの場合、エスカレーターの代わりにエレベーターを使おうとすると、途中で階段を上る必要があることがわかった。
事故があった入口から少し坂を下ったところに行けば、そのまま地下1階に入れる入口もあるが、それを知らない客も多いようだ。
福祉用具を扱う公益財団のホームページには、事例が注意喚起として掲載されている。
「シルバーカーの場合、エスカレーターに乗ってブレーキをかけてしまうと、降りる時に適切に解除しなければ非常に危険な状態になってしまう可能性はある」(テクノエイド協会 五島清国企画部長)
店の前で取材していると、実際にカートを使っている高齢の客を多く見かける。
話を聞くと「やっぱり怖い。つっかえたり動かなかったり、よく友達がカートが動かなくて転んだという話を聞く」との声も。
エスカレーター事故に関する最新の調査でも、原因は転倒がおよそ6割で最も多く、60歳以上ではキャリーバッグや歩行補助器などを使っている割合が高くなっている。
そのため五島企画部長は、基本的にはエスカレーターは使用せず、エレベーターを利用するよう注意喚起しているという。
今回の事故についてオーケーの担当者は「店舗が斜面に立地している関係上、事故が起きた入口にはエレベーターの乗降口が設置できないため、 斜面を下りた入り口をご利用いただくようご案内している。これに加え、エスカレーター付近の従業員の巡回強化など、 追加的な事故防止対策を強化してまいります」と話した。
エスカレーターの事故について政治学者の佐藤信氏は「ベビーカーや手押し車を使われる方、観光客などスーツケースを引いている方も多い。そういう方々が待ち時間が長いエレベーターではなくエスカレーターを使ってしまう状況をよく見る。一部の自治体ではエレベーターの設置のための補助を出しているが、例えば政府などがより積極的にサポートをすることでエレベーターの数を増やし、事故を減らすきっかけにできたらいい。また、エスカレーターで歩いている方も多いが、こういった機会を転機として、共有していく必要がある」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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