将棋の伊藤園お〜いお茶杯王位戦七番勝負第2局が7月17・18の両日、北海道函館市の「湯元 啄木亭」で行われ、藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖、21)が挑戦者・渡辺明九段(40)に敗れた。この結果、シリーズ成績はともに1勝1敗に。注目の第3局は7月30・31日、徳島県徳島市の「渭水苑」で指される。
藤井王位がシリーズ初黒星を喫した。藤井王位の先勝で迎えた第2局では、先手番の渡辺九段が第1局の千日手指し直し局と同じ「相掛かり」を志向。藤井王位がやや流れを変えて前例のない戦いへと突入した。長く難解な中盤戦では、藤井王位が千日手含みの手順を選んだものの、渡辺九段は冷静かつ積極的に対応。1時間超の長考の末に敵陣に歩の手筋で反撃したが、渡辺九段が攻勢に出てペースを握った。
対局2日目からはガックリと肩を落とし、苦しそうな表情を見せる時間が多くなった藤井王位。受けの技を駆使して対応したが、渡辺九段の強気の姿勢は緩まずアクセルは全開に。藤井王位は勢いを増す渡辺九段に一気に押し切られる形で、投了を告げた。
勝利した渡辺九段は、「つかみどころが難しい将棋だったが、2日制なのでそのあたりが難しいながらもケアできた。(次戦まで)あまり間がなく次があるので、それまでに作戦を練って臨みたい」とコメント。一方の藤井王位は「序盤の組みあがりのあたりから具体的にどう戦いが始まるか難しい将棋だったが、そこでバランスを崩してしまい、力不足だったと感じる。本局は早い段階で形勢のバランスを崩してしまったので、もう少し競り合いにできるように頑張りたい」と語った。
あす19日に22歳の誕生日を迎える藤井王位だが、21歳最後の対局は惜しくも“黒星”締め。最年少名人獲得、全八冠独占など偉業尽くしの一年から、次なるステージではどのような世界観を披露するのか、注目は増すばかりだ。気持ちを新たに臨む次戦は、第3局の7月30・31日、徳島県徳島市の「渭水苑」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)