【映像】衝撃のゴミ屋敷…浴槽の中にもゴミ、布団の下には大量のタバコが！
シングルマザーの女性：子どもが小学生に上がるタイミングで、例えばベッドだとか勉強机だとか、そういったのを用意してあげたいなと思ったけどできないっていうのにすごい悔しくなってしまって。
部屋やトイレ、風呂など、あらゆる場所がごみで埋め尽くされた家。映像には、小学生の子どもを持つシングルマザーが清掃業者に片付けを依頼、その作業の一部始終が収められている。
職場でのパワハラと子育てで気が休まる暇がなく、精神が疲弊していった母親。掃除や洗濯といった家事ができなくなる中、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言によって親子で閉じこもるようになったという。
気づけば、手の付けようがないゴミ屋敷状態に。周囲にこの状態を知られたくないという後ろめたい気持ちをなんとかしなければならないとの思いで清掃業者に助けを求めた。
こうしたゴミ屋敷の清掃作業をYouTubeで公開しているのが、不用品回収や部屋の片付け業務を請け負うスッキリンだ。
「『どんな人が来るのか、どんな業者なのかもわからない』と拒絶反応を起こす方が多数いるが、回収メンバーの顔や身なりの映像を見て依頼のハードルが下がり、問い合わせに繋がるケースが多い」（スッキリン 西岡巧貴代表）
こんな状況になってしまったことを人に知られたくない、家に入って見られたくない…ゴミ屋敷の住人が抱える葛藤を少しでも和らげるため、スッキリンは依頼者に承諾を得た上で、実際の作業の様子を公開している。
会社への問い合わせ件数は、4年前と比べ約3倍に急増。西岡代表は情報発信と共に、コロナ禍によって人との直接的な会話コミュニケーションが減って相談しづらくなったことも問い合わせが増えた要因ではないかと話す。
また、近年は依頼者の年齢層にも変化がみられるという。
「これまでは高齢者の方が10年、20年と長いスパンをかけてゴミを溜め、我々業界では『ミルフィーユ』と呼ばれるカチカチになったゴミ屋敷にしてしまうケースが多かった。しかし、最近で20〜30代という若い方が2〜3年で作り上げた“ふわふわ系”のゴミ屋敷が増えている」
心の問題や金銭的な事情など、ゴミ屋敷が生まれる原因は人それぞれ。スッキリンでは、頼れる人がいない依頼者に、生活保護の窓口や児童相談所など再スタートに必要なサポートが受けられる機関の紹介もしている。
「これまでは年配の方に偏っていたゴミ屋敷現象も、今はどの年代でも見られるようになった。声をかけ合える人がいて、人間関係が構築できればゴミ屋敷は少なくなると感じている。少しでも改善できればいい」（西岡代表）
環境省によるゴミ屋敷に関する調査によると、2018年度から2022年度の期間で、 全国1741市区町村のうち、「ゴミ屋敷を認知している」と回答したのは全体の38％であり、認知した事案の5224件のうちおよそ半数は改善したという。
近年のゴミ屋敷の特徴としては、「若年化」に加えて「見破りにくさ」が挙げられ、スッキリンが見積もりで訪問した際にも身なりが整った方と対面することが少なくないという。
この点について、精神科医で訪問診療を行うこともあるという木村好珠氏は「SNSや対外的には『しっかり仕事をして、プライベートも充実した自分』として振る舞っていても、そのことでストレスを抱え、疲れ切ってしまい、自分の部屋という誰にも見せない空間でストレスが解放状態になってしまう人は少なくない」と説明した。
さらに「部屋の汚さは精神状態のバロメーターになる」と指摘。
「診察においても、『部屋を片付けられているか』については確認する。また、元々片付けられていた方が片付けられなくなった場合は精神的疲労がかなり溜まっている状態だと判断する」
ゴミ屋敷に陥らない方法について木村氏は「人との繋がりは非常に大切であり安心につながる。そのため、友人、家族、あるいは行政など、誰かしらが自分と繋がっている空間を確保するべきだ」とアドバイスした。
（『ABEMAヒルズ』より）
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