「オッス、オラ損5億 地球のみんな、オラに現金をわけてくれ」
8月7日、Xに衝撃的な投稿をしたのは自称ニートの投資家マサニーさん(40代)だ。今回の世界同時株安の影響で大きく資産を減らしたという。その“直面した現実”を聞いた。
マサニーさんは資産損失について「7月12日時点では、私の純金融資産額は43億円ほどあったが今回の世界同時株安の影響で1カ月間で5億円以上減り、現在の資産額は37.8億円ほどになった」と淡々と語る。
5億円の損失の内訳は「資産の7割以上は投資信託の中でも人気の全世界株式に連動している『オールカントリー』(オルカン)に投資している。その評価額がこの1カ月間で15%以上値下がったことが資産減の主な要因だ」と説明。
資産5億円減となると大きなショックを受けそうだが、なぜ淡々としているのだろうか?
マサニーさんは「長期的にはオルカンも、過去の事例から右肩上がりで伸びていくと予想している。むしろ今は安く買えるチャンス、“バーゲンセール”が来たと感じている。まだNISAをやっていない方は、むしろこれから積立するのに良い環境になったと言えるかもしれない。特にアメリカ株については、100年に一度と言われた世界金融危機(リーマンショック)時には株価が50%下がったが、たった5年で回復した。長期的には楽観的に考えている」と答えた。
マサニーさんは今後、資産は売らずに保有するという。
「私は自称ニート。無職で収入もないので、他の方に比べると現預金をちょっと厚め、10年分以上の生活費を確保している。これからNISAを始めたりiDeCoを買う方には、生活費数カ月分をしっかり現預金で持ち、余力の資金で買い増すことを勧めている。少しずつ老後の資金を貯めるなら、今は買い増すチャンスだと思う。ただし、1年とか2年後に売る状況に陥る可能性やイベントがあるなら、あまり買わない方が良い」
マサニーさんについて、経済ジャーナリストの後藤達也さんは「オールカントリーやアメリカ株の投資信託を中心に運用している人は非常に多い。1カ月前まで円安が進んでいたため円換算すると利益が大きく見えたが、今は逆に円高であるため運用成績が悪くなってしまうのだ」と解説。
一方で「今回の急落は歴史的ではあったが、何年かに一度は“一定の調整”は起こるもの。今年に入って新NISAを始められた方などは短期間で稼ごうというよりも、老後の資産形成や生涯を通してゆとりを出すために投資している方が多数だ。その方達にとって、一時的な急落は悲観の対象ではない。同じ金額で多くの株数が増えたりするため、基本は積み立てていくべきだ」と指摘した。
だが、そんな後藤氏にも「運用を見直すべき」と考えるケースもある。
「株高に浮かれて過剰に株を買った結果、今回の株価急落で、生活や人生設計に影響出るレベルの金額の損が出てしまっている人は、リスクを取りすぎたのだ。そういった方は少し投資の金額を落とすなど、中長期的に見直してもいいだろう」
(『ABEMAヒルズ』より)
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