約1.5kmのロングストレートが名物の富士スピードウェイ。“踏んでも伸びない”圧倒的ハンデを背負った昨シーズン王者がまさに神業級のコーナリング&オーバーテイクを披露。ファンも驚愕したシーンが話題を呼んでいる。
【映像】「74kg vs 4kg」で神業オーバーテイクの瞬間
8月4日、富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第4戦決勝。GT500クラスでは、昨シーズン王者で10位のau TOM'S(#36 GR Supra)の山下健太と、9位のリアライズコーポレーション(#24 ADVAN Z)の名取鉄平による一進一退の攻防戦が繰り広げられた。
昨シーズン王者で、今シーズン1位、4位、5位と圧巻の走りを見せ続けている36号車。ドライバーズランキング 37ポイントで堂々の首位に位置しているが、ドライバーズポイントが高いということはサクセスウエイトも重くなることを意味する。
サクセスウエイト74kg(50kgのウエイト&90.2kg/hに制限された燃料流量リストリクター※)で挑んだ第4戦は、ハンデの重さを感じさせる厳しい展開となった。
特にそのハンデを感じさせたのが24号車とのバトルだ。36号車が安定した技量と華麗なコーナワークで幾度となく距離を縮めるも、富士名物の全長1,475mのストレートを前にアクセル全開でもスピードが全く伸びず、24号車の巧みなブロックもあり距離を離されてしまっていた。
しかし、その厳しい戦いは61周目に大きく動いた。
この周も36号車は24号車を粘り強く、抜群のコーナーワークで追走。そして第13コーナーで24号車がわずかに外に膨らんだ瞬間を見逃さなかった。縁石に乗り上げながら差し込み、加速。意表をつく一瞬のアタックで見事オーバーテイクに成功した。
その直後のGR Supraコーナー、パナソニックコーナーでも美麗なコーナリングで差を大きく広げ、懸念点である富士のストレートを耐え凌ぎ、見事に9位を手中に収めた。
この神業コーナリング&オーバーテイクには、ファンも「え、サクセスウエイト74kgなんですけど」「auマジですごい」「燃リスとウエイト考えるとauが化け物過ぎる」と大絶賛した。
その後も37号車は持ち前のコーナーワークで順位を2つ上げて7位でフィニッシュ。ドライバーズランキングは、+4ポイントの41ポイントと変わらず1位をキープしているが、ライバル各車もポイントを上げてきている。
スーパーGTは、今シーズンも早くも中盤。サクセスウエイト差が縮まることで、さらなるアツいバトルが期待される。この厳しい第4戦を重量差ハンデがありながらも巧みな技術で凌ぎきった、昨シーズン王者の今後のレースに要注目だ。
※ 燃料流量リストリクター数値は1時間あたりの使用燃料の重量
(ABEMA『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』/(C)GTアソシエイション)