自信をもって見送ったボールが「ストライク」——ドジャースの大谷翔平投手の打席では、そんな“不可解判定”が話題になることも少なくない。例えば8月3日(日本時間4日)のアスレチックス戦でも、外角低めに外れる変化球をストライクと判定され、大谷本人が驚いたばかりかネット上でも「軌道再現のCGが全力でボールw」「そりゃキレる」と話題になった。
なぜ大谷の打席で不利な判定が多いのか? データを調べてみると、意外な事実が判明した。実際には大谷の打席の“誤審率”はMLBの平均を下回っていたのだ。
MLBにはストライクゾーンを可視化する映像があり、球審の判定に関しても全球がデータ化されている。それによると、今季の大谷の打席でボールゾーンをストライクと判定された割合は、1133球中33球の2.9%だった。これはMLB全体の平均4.2%を下回っており、実は誤審が少ないほうだったのだ。最近、ボール球をストライクと判定されることが多く損をしていると話題になったカブスの鈴木誠也外野手は6.1%とやはり高く、吉田正尚外野手(レッドソックス)は4.4%。大谷は大きく下回っている。
さらにシャドウゾーン(ストライクとボールの境界周辺のゾーン)に限って見ても、大谷の打席でシャドウゾーンをストライク判定されたのは440球中32球と7.3%でMLB平均の10.3%よりもかなり低い。むしろ注目すべきは鈴木の15.1%で、大谷の倍以上もタフな判定を食らっている可哀想な実態が明らかになった。吉田も11.6%で、2人が判定に泣かされてしまう割合は大谷よりもかなり高いということだ。
ただ、大谷は選球眼の良さでも知られている。その大谷が不満げな表情を見せたということで、我々の印象も強くなってしまうという側面もあるだろう。実際、冒頭で挙げた打席も、ボールを確信した大谷が球審の判定を待たずに一塁に向かおうと歩き出した直後にストライクがコールされ、大谷が驚いたものだった。
いずれにせよ、意外と大谷の打席では正しいジャッジがされているということがわかった。これもひとえに、大谷がこれまでの6年間で築き上げてきた実績と尊重の証なのかもしれない。
※日本時間8月18日終了時点のデータ(協力:データスタジアム)
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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