■薬を使って死産「崩れてしまいそう。怖くて抱き上げられなかったことに後悔」

 妊娠12週を過ぎての中絶は、薬で人工的に痛を起こし 死産させるのが一般的。彩さんは20週目を迎えたところで決断、死産した。「検査を受けたこと自体や、中絶する決断をしたことに関しては、夫と十分に話し合って、また自分の中でもそういう気持ちを消化できるような時間も得ることができたので、選択自体にはそこまで深く後悔はしていない」。ただ別のところで後悔はあった。産んだ後に一晩、一緒に過ごす時間が持たれた時のことだ。「身長23センチ身長とすごく小さくて、393グラムという重さもすごく軽い。重たく感じるものではあったが、抱き上げたら壊れてしまいそうで。本当に崩れて壊れてしまいそうな気がして、抱き上げることができなかった。亡くなってはいるけれど、人の形をしている状態で抱っこできる瞬間があったにもかかわらず、怖くてそれができなかったのが後悔。もっと抱っこしてあげればよかった」。

亡き子は23センチ・393グラム「壊れてしまいそうで抱けなかった」検査陽性なら中絶率が約9割 出生前診断で決断した母の声「選択自体に後悔はない」
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■新型検査で陽性が出る割合は1.8%→中絶率は86.9%

 出生前診断を受ける人は増えている。NIPT(新型出生前検査)は2013年度から2021年度の9年間で11万7241件を数える。2021年度だけ見ても、1万5577件だ。NIPTは、血液を採取し、3つの染色体疾患の可能性を調べるものだが、陽性が出る確率は1.8%(約50人に1人)。2022年3月まで実施分で、ダウン症の陽性が出たのは1282件だが、その後に妊娠を中断、つまり中絶に至ったのは86.9%だ。

 出生前診断を専門とするFMC東京クリニックの中村靖院長は「それぞれ誰でも自分の人生の中で選択はある。誰しも、あの時こっちを選んでいたらというのは持っているはずで、これは出世前診断に限らない」と理解を求めた。検査については「出生前にわかる病気はものすごくたくさんある。同じ病名でも症状に幅があるのは事実。生まれる前に全部ぴったり当てられるかっていうと、必ずしもそうではない」とも述べた。

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■「産む・産まない」の最終決定は本人ではなく医師
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