将棋の藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖、22)に渡辺明九段(40)が挑戦する伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負は8月27日、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で第5局1日目の対局を行い、藤井王位が45手目を封じて指し掛けとした。あす28日午前9時頃に封じ手を開封し、対局が再開される。
防衛5連覇で「永世王位」獲得を目指す藤井王位に、タイトル奪取を狙う渡辺九段が挑戦する注目の七番勝負。シリーズはこれまでに藤井王位の3勝、渡辺九段の1勝で推移している。
本局で藤井王位が勝利した場合、「永世棋聖」に続き自身2つ目となる永世称号の獲得が決まる。連続5期、または通算10期を達成した棋士のみに与えられる永世王位獲得者は、これまでに故・大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(76)、羽生善治九段(53)の3人のみ。藤井王位が歴代4人目の資格保持者となるのかが、大きな見どころのひとつとなっている。
神戸・有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」を舞台に争われている第5局は、後手の渡辺九段が雁木を志向。藤井王位が積極的な攻めを決断すると、作戦の岐路とあり手を止めて1時間31分の長考に沈む場面もあった。その後、渡辺九段の攻めに千日手の可能性も示唆されていたが、藤井王位は玉で受ける強気の一手で回避を選択した。
緊迫感ただよう展開から難解な中盤戦に突入すると、藤井王位も腰を据えて長考返し。繊細なかけ引きが繰り広げられており、ABEMAで解説を務めた北浜健介八段(48)は「ここから先はさらにバランス感覚が要求される。非常に難しい将棋」と印象を語った。
午後6時、立会人の福崎文吾九段(64)が封じ手の定刻となったことを告げると、手番の藤井王位はすぐに封じる意思を示して指し掛けとした。封じ手の考慮時間は39分。第5局2日目は、28日午前9時頃に再開が予定されている。
【封じ手時点での残り持ち時間】
藤井聡太王位 4時間4分(消費3時間56分)
渡辺明九段 4時間20分(消費3時間40分)
(ABEMA/将棋チャンネルより)