南米チリで開催されたWRC(世界ラリー選手権)の第11戦。最終SS(スペシャル・ステージ)で、フォードのマシンがスタートからフィニッシュまでリアスポイラーなしで走行して注目を集めている。
日本時間9月30日に行われた最終ステージ、SS16「ビオビオ2」は、ボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」。ドライバーも気合が入る。当然、25歳の期待の新人マールティンシュ・セスクスも今シーズン3戦目のスポット参戦に集中していた。
しかし、スタート位置につけたセスクスの乗ったマシン、フォード・プーマ ラリー1のリアスタイルを見ると、何かが変? なんと、マシンの大型リアスポイラー(ウイング)が付いていない。
解説のピエール北川氏によれば、前のSSでアクシデントがあって、リアスポイラーを壊してしまったという。当然ながら、走行中の空力に影響してくるわけだが、実際に走り始めたセスクスは、まるでリアスポイラーがないことを忘れてしまったかのようにアグレッシブに走り続け、時には120km/h超えるスピードまで出している。北川氏も「かなり不安定だと思いますが、お構いなしですね(笑)」と苦笑。
この果敢な走行シーンを見守る視聴者から、「ひらひらしてるw」、「ウイングがー」、「リアウィングレスw」、「リアのダウンフォース無し」、「最後のジャンプ後ろが浮くぞ」、「なんかハンドリングがフワフワしてそう」など、心配と驚きの声が集まるなか、セスクスは無事にフィニッシュラインを通過した。
天候不順で視界不良、もともと路面が荒れているのに加えて、より滑りやすくなっていたが、リアスポイラーなしでの完走に、北川氏は「ダメージを負っているなかでベストな走り。さすがですね」と感心。アクシデントをものともしなかった超新星の来季の動向が気になる。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)