将棋日本シリーズJTプロ公式戦・決勝が11月24日、東京都江東区の「東京ビッグサイト」で行われ、渡辺明九段（40）と広瀬章人九段（37）が対局を開始した。渡辺九段の5年ぶり4度目の制覇か、広瀬九段の初優勝か。注目の一戦は、振り駒で広瀬九段の先手に決まった。
渡辺九段は、2000年4月に四段昇段。竜王戦1組（1組以上：18期）で、順位戦A級（A級以上：13期）。タイトル通算31期は歴代4位、現役2位の快記録で、永世竜王と永世棋王の資格を保持。棋戦優勝はJT杯4回を含む11回を数える。序盤研究の深さから中終盤の粘り強さ、細い攻めをつなげる卓越した技術など、どこを取ってもトップクラスでバランスの取れた超一流棋士だ。
本棋戦は15年連続19回目の出場で、2回戦で豊島将之九段（34）、準決勝では稲葉陽八段（36）に勝利し決勝進出を決めた。公開対局で行われる決勝戦の前には、「これだけ大勢の前で将棋を指せるのは、棋士冥利に尽きる。精一杯頑張りたい」とコメント。5年ぶり4度目のJT杯を手中に収めることができるか。
広瀬九段は2005年4月に四段昇段。竜王戦1組（1組以上：5期）、順位戦A級（A級：10期）。タイトルは第31期竜王、第51期王位の計2期。棋戦優勝は新人王戦で1回。JT杯は2年連続9回目の出場で、2019年に渡辺九段を相手に準優勝を経験した。
今期は2回戦で丸山忠久九段（54）との千日手指し直しの大熱戦に勝利。準決勝では2連覇中の藤井聡太JT杯覇者（竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22）を破り、「記憶に残る一局」と振り返った。また、決勝戦前には「皆様に満足してもらえるような将棋を指したい」と意気込みを語っていた。強敵を撃破した勢いそのままに、初の栄冠をつかむことができるか。
両者の対戦成績は、渡辺九段の22勝16敗。直近の対戦は、先月30日に行われた第10期叡王戦九段予選1回戦で、広瀬九段が制している。2019年大会と同一カードとなった決勝戦。日本シリーズを制するのはどちらか、大きな注目が集まっている。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
