将棋の藤井聡太王将(名人、竜王、王位、王座、棋王、王将、22)への挑戦者を決めるALSOK杯第74期王将戦挑戦者決定プレーオフが11月25日、東京・千駄ヶ谷の「将棋会館」で指され、第70期に挑戦経験を持つ永瀬拓矢九段(32)が西田拓也五段(33)に勝利し、4期ぶり2度目の七番勝負挑戦を決めた。
藤井王将へのリベンジに燃える永瀬九段が、挑戦権をもぎ取った。今期のリーグ戦を5勝1敗で駆け抜けた永瀬九段は、リーグ初参戦で同星となった西田五段とプレーオフで再激突。リーグ戦では西田五段が白星を飾ったが、2度目の激突で借りを返す結果となった。
永瀬九段は、第70期七番勝負で渡辺明王将(当時)に挑戦。2勝4敗でタイトル奪取を阻まれた。2度目の王将挑戦となる今期は、若き“絶対王者”・藤井王将が待ち構えている。
「藤井・永瀬」といえば、藤井王将のデビュー以来の研究パートナーとしての仲であることは広く知られているほか、全八冠制覇と名誉王座獲得をかけて争われた2023年度の王座戦五番勝負の世紀の死闘がファンの記憶に深く刻まれている。通算3期の激突ではそのすべてで藤井王将がタイトルを手にしているとあり、永瀬九段としては何としてでも雪辱を果たしたいところだ。
これまでの両者の公式戦対戦成績は、藤井王将の18勝7敗。これまでの3期のタイトル戦はいずれも1日制の五番勝負であったため、2日制の七番勝負での対戦は初となる。永瀬九段が“4度目の正直”で王将奪取を叶えるのか、藤井王将が貫録の4連覇を達成するのか。大きな注目を集めることになりそうだ。
第74期王将戦七番勝負は、2025年1月12日に静岡県掛川市の「掛川城 二の丸茶室」で開幕。以降、初開催の京都市「伏見稲荷大社」、埼玉県深谷市「旧渋沢邸 中の家」など、約3か月間で全国各地を転戦する。
<七番勝負日程>
第1局:1月12、13日/静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」
第2局:1月25、26日/京都市「伏見稲荷大社」
第3局:2月5、6日/東京都立川市「オーベルジュ ときと」
第4局:2月15、16日/大阪府高槻市「摂津峡花の里温泉 山水館」
第5局:3月8、9日/埼玉県深谷市「旧渋沢邸 中の家」
第6局:3月21、22日/佐賀県上峰町「大幸園」
第7局:3月29、30日/栃木県大田原市「ホテル花月」
(写真提供:日本将棋連盟)