佐々木八段の積極的な銀の踏み込みに対し、藤井竜王は後手の馬を引き付ける歩の一着。これには、ABEMAに出演した戸辺誠七段(38)は「私はこの一手を見て、30分くらい固まってしまった」とコメント。「深い読みに裏付けされら強い手だったと思う。馬が近づいてきてしまうので、危ない。ただ、別の選択肢を選んでいたら飛車を取られてしまうリスクもある。そのため、“あえて引き付ける”という最強の受けの手で斬り合いしに行った」とし、藤井竜王の構想力に驚きを隠せない様子だった。
ここからはっきりと優勢になった藤井竜王は、華麗に相手の飛車をさばいて勝利へと一直線。佐々木八段の「攻めるにしても守るにしても、歩が足りなかった」というコメントの通り、歩得を生かしてポイントを積み重ねた藤井竜王の快勝となった。
同じく中継で解説を務めた久保利明九段(49)は「先手番ということもあり、自然な指し手を重ねて優勢を築き、そのまま勝ちきるという王者の戦い方だったと思う」とコメント。堂々たる竜王の将棋を称えていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)