少年の再犯率は3割、出院後の不安と再犯の誘惑

 フーカとのお別れが迫る中、ツカサは出院後の不安を語る。「不安はやっぱり再犯。薬を使って暴行とか…」。

【写真・画像】「罪を犯した少年」と「捨て犬・野良犬」が共に歩む再出発、涙の別れ…少年院の保護犬訓練プログラムに密着 7枚目
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浦屋創さん(26)

 少年(20歳未満)の再犯率は、割を超えるという現実がある。少年の更生を阻む壁、そこには何があるのか。少年院を出た後、再び非行に走ってしまった浦屋創(うらや はじめ)さんはこう語る。

「仕事にやりがいが見出せなくて、自暴自棄でもういいやって」「ダメだなと思っていたけど、外に出ると誘惑がたくさんあって」

 1回目の少年院を出た後、特殊詐欺の出し子をして逮捕。今度は、少年刑務所に収容された。出所した後は、建設会社で働き始めた。

 仕事については「楽しい。いままでやったことのない仕事を任せてもらったりもする。結構やりがいを感じている」と話した。現在は仕事仲間にも恵まれ、法律の資格をとるために勉強をしているという。

「最後はたぶん自分自身だと思うけど、環境はすごく大事。いま同じような環境に置かれても、同じように再犯すると半分思う。誘惑もあるし、遊びに行きたいと思うけど、再犯したら失うものが大きすぎる。絶対、天秤にかけるようになっているので、再犯はしないですね」

 保護犬の訓練を通じて、責任感や忍耐力を身に付ける八街少年院の取り組み。プログラムに参加した少年が再び少年院に入る割合は、およそ1割にとどまっている。

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