■裁判以外の選択肢は?

本人訴訟、どこまで可能?
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 コストのメリットはあれど、勝率が低いというデメリットがあれば、なかなか本人訴訟も進まない。泉氏は「素人であろうがプロであろうが、ちゃんと結論として同じになるのが本来の姿。日本の場合は極端に詳しい弁護士が得をするような制度になってしまっているが、それは違うと思う。ちなみに明石市では弁護士を10人以上採用する。その弁護士が家庭訪問をしてちゃんと相談に応じる。訴状を書くのもちゃんと手伝う。弁護士にお金を払わなくても、裁判ができるように手伝っている」と例を出した。

 これに深澤氏は「公費でやるということは、弁護士が国家に雇われるということ。そうなってくると、独立はどこまで維持できるかという問題がある。確かに公費でやるのは一番シンプルで良い手段だ。ただ、それで弁護士の独立性が保てない」と課題を指摘。その上で「確かにお金がない人の問題がある。これについては今かなり不十分ではあるが、法テラスやそういう制度もある。さらに裁判という方法にこだわる必要はない。つまり裁判は最後の手段だ。ADR(Alternative Dispute Resolution)裁判外紛争解決手続がある。法務大臣の認証をとると、民営の裁判所が作れる制度だ。お互いの同意が必要で、話し合いを仲裁して、同意したことには強制執行も可能な判決に似たような効力を与えるという制度」と紹介。「アメリカではこの制度がかなりよく使われている。フリーマーケットなど、いわゆる個人間のオンライン取引は本当に数千円とかなので弁護士を立てられない。そういった場合にはADRの仲裁機関が返品を認めなさい、などとやっている」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)

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