復旧・復興に向けた道のり
故郷の南志見に一時帰宅した人々
地震の影響で隆起した海岸に、サザエをとる住民の姿があった。昨今、南志見への一時帰宅者も増えてきているという。
「『久しぶりに帰ってきたわ』といろんな顔を見ると嬉しい。たまに『向こうに帰るわ』というやつがおるから、『馬鹿野郎、お前帰ってくるのはこっちやぞ』と言った覚えがある。そんな言葉を聞かされると、生活の基本があっちにあるのかなと感じたり。本当はこっちに帰ってくるべきなのに、『あっち帰るわ』という言い方をされるとちょっと寂しかった」(大宮氏)
議員でもある大宮氏は、地震の後初めてとなる輪島市議会に出席していた。政党も会派も超えて住民から寄せられた声を届ける。
「我々が住む地元の道路を見てみると、地震が発生してから土砂を取り除く重機も撤退し、今後に向けてどのように復旧を行うのか全く示されておりません。市民の皆さまがこの輪島に住み続け、生き続ける、諦めていない、そういう思いがあると捉えて、質問をさせていただきました。私たちの輪島市、市民の皆さんと一緒になって復旧・復興をさせましょう」
集団避難から復旧・復興へ向けて、道筋を示すことが求められている。輪島市の坂口茂(さかぐち・しげる)市長は「まずは集団で、やっぱり地域のコミュニティが大切ですから、集団で仮設住宅に入っていただいて、そこでコミュニティを大切にしながらまずは生活していく」と集団生活の重要性を述べた。