今年もファンを驚かせるほどの圧倒的な躍進を遂げた将棋界のスター藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)。日本将棋連盟創業100周年の節目の一年とあり、盤上での結果に注目を集めたことはもちろん、様々な舞台でその魅力的な表情を披露した。2024年の藤井竜王・名人の活躍を振り返るとともに、自ら掲げた“2025年にチャレンジしたいこと”にも注目した。
 前人未踏の“八冠防衛”ロードを突き進むこととなった藤井竜王・名人の2024年。新春は、振り飛車党のエース・菅井竜也八段を挑戦者に迎えた「ALSOK杯第73期王将戦七番勝負」から始まった。前年の叡王戦五番勝負でも対戦があった難敵と初めて2日制の七番勝負での“再戦”となったが、2月7・8日に行われた第4局を制し無傷の4連勝で防衛3連覇を達成。八冠堅守ともにタイトル戦での連勝数を初挑戦から無敗の「20」に伸ばし、故・大山康晴十五世名人が1963~66年までに打ち立てていた19連勝の大記録を塗り替えた。