■遺族らが殺人罪への切り替えを求める

【写真・画像】「思っているより大きい」八田容疑者の等身大パネルを作成 元刑事が見た目以外にも「声」に注目してほしいと訴え 7枚目
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 この事件をめぐって、遺族らは八田容疑者の容疑を道路交通法違反から殺人罪、および殺人未遂罪への変更に求めていたが、1年以上が経過し進展が見られないことから、大分県警に告訴状を提出した。そして容疑変更に賛同するおよそ5万2000人の署名も手渡した。

 元東京地検特捜部の若狹勝弁護士は「本人の供述を聞くことができないため、殺意があったかどうかはわからないから、殺人にはしがたいというのは時代遅れの人が言うこと。客観的に人を殺すに足りる行為をしていれば、容疑者がなんと言おうと、裁判では有罪・殺人罪になる。100キロで止まっているところにぶつかれば、死んでもおかしくない状況。客観的に言うと殺意を認めるには足りることになる」との見解を示した。

 告訴状を提出した父親は「警察の応対をしてもらった方の雰囲気から、書類は受理したものの殺人罪への切り替えは難しいのかなというのが率直な意見ですね」と語っていた。その言葉のとおり告訴は受理されたものの殺人罪への変更はなされないままだ。

 大分県警本部に取材を申し込み、話を聞くと「殺人容疑となると、現状は100%とも言えないところもある。では何が足りないのか、そこはちょっと申し訳ないのですがお話できないところがある。しかし道交法違反だけで終わる事件ではない」と語った。

 「これが足りないと、それが表に出れば、当然八田容疑者が知ることになります。逮捕した後に当然弁護士が対抗措置をとるわけです。八田容疑者を厳罰に処したい。そのために言えないところがある。そこはご了承いただきたい」と続けた。

 初動捜査については「その日のうちに逮捕できたのがベストなんでしょうけど、それができていない。現場では鑑識が証拠を採取して、八田容疑者を特定。そしてすぐに逮捕状を請求して指名手配した。しかし、すぐに捕まえるというだけが初動捜査ではありません。それ(逮捕)ができれば一番いいが、他県警の発生事情から見てもそこはなかなか、難しい面もある。批判があるのであれば反省しなければいけない」と述べた。

■亡くなった大学生の両親の思い
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