解説棋士のレベルアップにも期待
――棋士ごとに盤上に何か違いが表れるかもしれない?
永瀬九段:「そうですね。今まで指してなかった戦型をこの3人が指しだすということはありえますね。ただこれは、その3人が対戦する場合です。伊藤―藤井や藤井―永瀬など、この3人が当たった場合のみです。だからほとんどの棋士にとっては関係ないんですよ。
でもその一握りの棋士にとっては大きな年で、どういう戦型を指していくか、今まで通り戦うのか、上積みで戦っていくのか――」
事実、ALSOK杯第74期王将戦七番勝負第1局では、永瀬九段がやや意表の「相掛かり」を志向した。中盤の終わり付近まで主導権を握り、藤井王将を苦しめていた永瀬九段だったが、「誤算は特には分からない」としたまま絶対王者の圧倒的な読みの力を見せつけられる形で敗北。終局後には、「相掛かりは基本的に力戦になってしまい、(攻めを)切らされる心配もある。全体的に軽い将棋になってしまった。攻めをつなげられるかどうかなと思っていました」と振り返っていた。
永瀬九段は、自らを含むトップ棋士たちの思考について、同時に解説を務める棋士たちのレベルアップも求める。
永瀬九段:「各々の棋風や人間観、人生観なども出てくると思うので、解説棋士はちゃんと解説して伝えてもらいたいですね、ハハハハハ(笑)!
結構難しい話なんですけど、それも解説棋士の仕事ですから。謝金を頂く以上はそれに見合った働きをするのが社会人としてしかるべきものかなというふうに思っていますので、(理解が)足りないにしても頑張るべきかなと思っています。ファンに喜んでもらってこそですので、理解してもらう努力はするべきかなというふうに思います。
難しいことだと思うんすけど、うまくそれを言語化できれば、皆様も今後の将棋もとても面白いんじゃないかなというのがありますね」
イメージは『HUNTER×HUNTER』の“極”?




