新年を迎え、早くも最初のタイトル戦「ALSOK杯第74期王将戦七番勝負」が開幕した将棋界。ABEMAでは、年始に行われた合同インタビューでトップ棋士たちに『2025年の将棋界』を聞いた。藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が定跡・2手目8四歩を覆す可能性について言及し衝撃が起こった裏では、永瀬拓矢九段(32)が「角換わりはひとつ定跡が集約した」という興味深い発言も。令和のトップランナーたちの思考の一片に迫った。
タイトル奪還を目指し、2024年は王座と王将の2つのタイトル挑戦者となった永瀬九段。同年2月に行われた第17回朝日杯将棋オープン戦では決勝戦で藤井竜王・名人を破って初優勝を飾るなど、その視線は常に七冠王を向いている。
昨年の将棋界は、全八冠を手中に収めていた藤井竜王・名人の牙城を崩し、新タイトルホルダーの伊藤匠叡王(22)が誕生したことも大きなトピックスとなった。大ニュースの水面下で、トップ棋士たちの思考の中ではその戦法のひとつである「角換わり」にひとつの変化があったという。
2024年は「ターニングポイントになった年」
永瀬九段:「去年は“上の棋士”にとって、結構ターニングポイントになった年だと思うんですね。というのが、一つの戦型の定跡がかなり出来上がった年になったかなという気がしていて。角換わりという戦型は2024年にだいぶ確立されたという気がします。ちょっとマニアックな話ですけど、上位の棋士が今後どういうふうに考えるのかは、今年ちょっと興味深いです。
これに関係のある棋士は藤井さん、伊藤(匠)さんと私を含む本当に5人くらいの話なのであまり大きな話ではないですが、その3人にとって去年は、角換わりという戦型においてひとつ定跡が集約した一年だったと思います。
例えばですが(ひとつの物体が)『10万時間貯まったら一つの形になる』、みたいな感じだとすると、それが貯まったというイメージです。ひとつの形になって次のステップに行くのが2025年なのかなと思っています。関係のある棋士は、その固まったものを今年どういうふうに形を成していくのか。過ごし方は各々違うと思いますが、気になるところではあります」
「今まで指してなかった戦型も…」




