【写真・画像】王将3 1枚目
【映像】形勢を表すグラフが大きく入れ替わる瞬間
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 将棋の「囲碁将棋チャンネル 第74期ALSOK杯王将戦七番勝負」第3局が2月5・6の両日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で行われ、藤井聡太王将(竜王、名人、王位、王座、棋王、棋聖、22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に134手で勝利した。4連覇を目指す藤井王将は、無傷の3連勝で防衛に“王手”。次戦でシリーズに決着を付けることができるのか、注目の第4局は、2月15・16日に大阪府高槻市の「摂津峡花の里温泉 山水館」で指される。

【映像】形勢を表すグラフが大きく入れ替わる瞬間

 若き絶対王者が、本局でも華麗な終盤力を見せつけた。永瀬九段の先手で始まったシリーズ第3戦は、角換わりの出だしに。角換わりは互いの得意戦法だが、永瀬九段は開幕前のインタビューでトップ間ではある程度の収束が見られていることを語っており、新たなステップでの応酬に大きな注目が集まっていた。繊細な駆け引きを経て後手の藤井王将は右玉を志向。超高難度な序中盤に、これまでの2局とは違い挑戦者の永瀬九段が持ち時間を多く消費する展開となった。

 前日に藤井王将が封じた78手目の開封から始まった2日目は、早々に終盤戦に突入。進行はじっくりとしたものになったが、一手一手の意味が重く緊迫した時間が流れることとなった。長く均衡状態にあり千日手の可能性も示唆されていたが、藤井王将が1時間超えの長考の末に決断の着手。それに呼応した永瀬九段が踏み込み、主導権を握ることに成功した。

 最終盤で永瀬九段がリードを拡大するかと見られていた中、寄せ合いの中で情勢は一変。自玉に寄せがないと判断した藤井王将は、自身にとっても高リスクな罠を相手に仕掛けた結果、形勢を逆転させてみせた。自身のペースだったはずの永瀬九段も簡単に倒れるわけにはいかない。渾身の粘りから勝負手を放ったものの、絶対王者は揺るがない。藤井王将が圧倒的な読みの力を見せつけ、白星をもぎ取る結果となった。

終局後の藤井王将、永瀬九段のコメント
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