■高次脳機能障害、記憶障害とは?

ダメージを受ける部分で症状が異なる
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 高次脳機能障害は、全国で約50万人(「平成20年 東京都実態調査」より)。症状は注意障害、遂行機能障害、失語、失認、記憶障害、社会的行動障害などだ。原因は、事故などの損傷が多数で、トラウマなど心因性もある。

 東京慈恵医大教授の渡邉修氏は、「脳が傷むという病気で有名なのは脳卒中だ。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が一番多く、それが約8割を占める。交通事故でも少し頭を打つタイプと、中等と、重いのに分けるのが基準だ」。

 .SABO10氏については、「2カ月の昏睡状態は、下手すると諦めるような状態になったと思う。かなり重かったのは事実だ。重いからこそ回復は難しいのは、当然想像できる。しかし、こんなに良くなってしまったので、一見分からない。若いことと、一生懸命ものごとに取り組んだからだと思う」と推測した。

 記憶障害の種類には、日付や曜日がわからない、何度も同じことを聞く「短期記憶障害」。家族の名前・顔、学校名などを忘れる「長期記憶障害」。自分が体験した出来事を忘れる「エピソード記憶障害」。モノの名前や意味がわからなくなる「意味記憶障害」。自転車の乗り方、楽器の演奏がわからなくなる「手続き記憶障害」がある。

 渡邉氏は、「.SABO10さんの場合、身体で覚える記憶は定着していく。あるいは事故前にやっていたことは結構覚えている。一番つらいのはエピソード記憶障害だ。それがこれから少しずつ良くなっていく」と述べた。

■見えない後遺症…記憶障害の悩み
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