「ここに来たのは24年ぶり」。静岡県内の山中を訪れた橋口亜希子さん(53)。24年前、当時小学1年生だった息子と2人でこの場所に来た。「本当に母親として、人としてしてはいけないことを」。犯しかけたのは、無理心中。発達障害のある息子の育児に悩んでいた。
「息子が生まれてから子育てにつまずき、人から『しつけがなっていない』『母親の能力がなっていない』と責められることが多かった。張りつめていたものが切れて、息子が人に迷惑をかけないためには、もう捨てるしかない、山の中で1人で生活すればいいと思った」
夜、街灯もない山中に我が子を置き去りに。しかし、後ろ髪を引かれる思いで、数百メートル先で車を止めた。「息子が走ってきた。私を見つけてハッと悲しい顔をした時に、“この子が悪いわけじゃない”“この子を生んでしまったことが、社会に対しての最大の罪だ”と。心中が唯一の最適解だと考えた」と当時の心境を明かす。
思い詰めた橋口さんは、息子の首に手をかけた。しかしその時、「『お母さんにこんなつらい思いをさせてごめんね』と」。息子の言葉で我に返り、命を奪わず踏みとどまることができたという。
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