試合終了直後はもう、目を開けていられなかった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」2月17日の第1試合は渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が今期18戦目にして初トップを獲得した。決定打となるような高打点のアガリは掴めなかったものの、僅差を逃げ切った。
昨年、チーム最多の32登板で主力を担った男が、今期はまさかの17戦連続未勝利。直近で白鳥翔(連盟)による獅子奮迅の働きぶりもありチームはレギュラーシーズン突破のボーダーラインをクリアしているものの、2度目の優勝に向けてまだパズルのピースが足りない。まずは1勝、トンネル突破。ファンの期待を背にヒットマンが卓に付いた。試合は東家からU-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、松本、BEAST X・菅原千瑛(連盟)の並びで開始。
松本は東1局から2局続けてリーチ攻勢。1度目は流局、2度目はアガリに結びつき1300点(+300点、供託1000点)。その後も攻めるべき手は入るが、大物手には結びつかず、四者横並びのジリジリとした展開が続いた。南2局2本場もリーチで1300点(+300点)を加点。南3局は絶好の親リーチをかけるも空砲に終わる。南3局1本場、トップ目を競る園田が菅原へ満貫を放銃したことで松本がトップ目に立った。
そして南4局1本場、松本に赤が押し寄せる。決めれば大きな加点と共に初勝利だ。しかしツモが利かず、3着目の園田からリーチが入ってしまった。切れない牌が増えると攻めは断念、園田にツモられないこと、そして親の菅原のノーテンを期待して“お祈りタイム”へ入った。菅原はテンパイが入らず、園田も最後までツモれずに松本のトップが確定。一礼すると松本は目をギュッと瞑り、勝利の喜びに打ち震えた。
インタビューでも感極まる松本吉弘



