■優秀な親を持つ子ども心境は様々「親の高い理想と現実に苦しめられた」「父を尊敬。手が届かないギャップ」

どれくらい遺伝する?
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 30代会社員の山田さん(仮名)は、立教・法から弁護士になった父と、上智・法から国家公務員を経て専業主婦になった母を持つ。小3で学習塾に行き、母からは「成績よければゲーム機」「父と同じくらい立派な職に」と言われた。小5で医師を目指すようになり、滑り止めの私立中から、進学校の高校へ通った。大学では医学部受験に失敗して、国立大・理学部へ。そして現在は、電子部品メーカーの技術職をしている。

 山田さんが感じる生きづらさは、「私たちの子なんだから勉強できて当然」というプレッシャーからだった。「立派になってほしい」という無言の圧により、エスカレートして行きすぎた教育もあったという。また、間違った事を言うと𠮟責され、意見を主張できないため、他人との会話でも間違った事を言ってしまわないか極度に気にするようになり、今でもコミュニケーションに苦手意識を持つという。

 親から期待された結果、「高い理想像を押しつけてくるため、その理想と現実の大きなギャップに苦しめられた。必要以上に頑張らないといけないと思い込んでしまい、しんどかった」と振り返る。

■父は取締役、子はホスト
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