歌舞伎町ホストの七瀬零弥さん(21)は、慶応卒で大手投資信託会社取締役の父と、短大卒からCAを経て専業主婦になった母を持つ。中学は慶応普通部などを受験するも、地元の公立中へ行った。高校は慶応高校など受験も、地元の都立高へ。大学は慶応受験が不合格となり、早稲田・スポーツ科学部へ入学。しかし、在籍中も卒業予定なく「ホスト一本」と決めた。

 現在は、親に職業・生き方を認めてもらえない生きづらさを抱えている。ホストへの偏見・反対から「真っ当に生きなさい」「そんなのあぶく銭だ」と言われ、周囲からも「零弥くんはいつまともになるの?」と聞かれることから、親は“世間体のいい職”に就いてほしいのではと感じている。また、抱え続ける父親へのコンプレックスもあり、慶応に落ち「認めてもらえなかった」思いから、「別の手段で父より稼ぎたい」とホストになった。

 七瀬さんは「言葉としてのプレッシャーはあまりなかったが、尊敬する父に手が届かないギャップにコンプレックスを感じた」そうだ。早稲田に入学したが、「親が慶應の体育会系で、三田会は2世にも影響する」と、学閥にも苦しんでいるという。

 ホストへの偏見にも悩む。「胸を張る仕事ではないが、皆が思っている以上に、パッとあぶく銭が稼げる仕事ではない。それを証明するために、コツコツ地道にやっているつもりだ。続けていれば、いつか親もわかってくれる」。

 自分がホストで成功することにより、将来その子どもがプレッシャーを感じる可能性もあるが、「親は関係なくていい。両親にさせてもらった経験は、ホストでも生かされている。人生すべてが詰まって、ホストとして働けているから、そこまで親や子どもにわかって欲しいとは思わない」と語った。

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