■地下鉄サリン事件はなぜ起きた
なぜオウムは、地下鉄サリン事件を起こしたのか。1995年1月以降、教団が関与した事件について、メディアが教団の犯行の可能性、捜査の進展状況などを報道した。これにより、「団体に強制捜査が入るのではないか」などと危機感を覚え、強制捜査を阻止するために、地下鉄電車内にサリンを散布することを指示したとされる。
地下鉄サリン事件を防げなかった理由としては、大きく3つ考えられる。まずは「警察の見込み捜査」で、坂本弁護士一家殺害事件などの初動捜査を間違えていたことだ。次に、本来であれば地下鉄サリン事件前に想定していた「拠点施設の捜索」を決断できなかったこと。そして、警察庁の刑事局と警護局の連携不足や、警視庁の協力がなかなか得られなかったなど、「警察の縦割り問題」が挙げられる。
先日刊行された『地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか—元警察庁刑事局長30年後の証言』では、警察庁の元刑事局長である垣見隆氏の回顧がまとめられている。共著者である元朝日新聞編集委員の五十嵐浩司氏は、「貴重な証言だ。大量破壊兵器で武装して、テロをしようとした団体に、警察がどう対処したのか。これがわからないままでは、次に備えられない。チェックしなければならない内容はあるだろうが、証言が明るみに出たことは大切だ」と評価する。
■地下鉄サリン事件が防げなかった理由■Pick Up
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