地形で延焼速度が速くなる

京都大学防災研究所の峠嘉哉特定准教授
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「この地域は地形が急峻で、急峻な場合は延焼の方向と地形の上向きの方向が重なると延焼速度がまた速くなると言われている」

 峠特定准教授はほかにも、延焼速度を速めた可能性として「樹冠火」という現象を指摘する。

地表火と樹冠火とは?

地表火
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「(林野火災で)大抵の場合は『地表火』と呼ばれるもので、地表の可燃物が燃えながら進んでいくようなものだが、『樹冠火』は木の葉っぱのゾーンまで燃えが達していて、葉っぱから葉っぱに燃え移るような延焼の形態だ。『樹冠火』にまで至ってしまうと、その延焼速度がぐんと速くなる。飛び火とかが起こって延焼速度が速くなるということが知られている。(調査前のため)断定的なことは言えないが、過去の調査を振り返ったときに、同様に樹冠火が起こっている可能性があると私は考えている」

 大船渡市だけでなく、山梨県大月市や長野県上田市など全国で相次ぐ山火事について、別の専門家も見解を述べている。

「火災は兵器によって引き起こされた」とデマ
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